だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

若者は何故 未来のない大企業に就職しようと思うのか

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最近の若者の就職は、公務員、大企業のホワイトカラー中心で、中小企業は人材確保が結構難しいという話を聞きます。
この減少は、長期に渡るデフレによって、安定を求めているという分析がされていますが、実際はどうなんでしょう。

常識的に考えれば、大手企業や公務員は、今は良いが、この先確実に不安定になる業種です。
そんな業種に、この先40年間社会人生活を控えている若者が飛び込むという構図が、イマイチよく分かりません。
自分自身で考える能力を持っていれば、大企業のホワイトカラー等にはなろうと思わないはずです。

これはおそらく、若者が先行きを心配して就職先を探しているというより、そもそも何も考えていない。
何も考えていないから、マスコミや世間に流されて、重要な決断をしているのでしょう。

ここで若者や世間一般の方の中には、『中小企業よりも大企業の方が安定しているじゃないか』と思っている方も多いと思います。
そこでまず、何故、大企業等のホワイトカラーが不安定なのかを説明していきます。


過去の歴史を見れば分かりますが、資本主義社会の下では、絶えず競争が行われています。
その競争によって合理化出来る部分は合理化されてきました。
産業革命以降は、自動化出来るものは自動化され、企業は生産性を向上させてきました。
この自動化の流れによって、ブルーカラーの仕事は奪われる事になりました。

そして、少ないコストで大量生産出来る体制が整った企業は、それを管理する優秀なホワイトカラー職を確保する為、必死に募集活動してきました。

しかしこの流れを変える出来事が起こりました。
これが、IT革命です。
IT革命とは、簡単に表現をするなら、ホワイトカラー版の産業革命です。
製造機械の発達や自動化によってブルーカラーから仕事が奪われたのと同じように、IT革命は、ホワイトカラーから職を奪う技術です。

例えば会計。
今までは、経理部というものが有り、会計士という職業が有りました。
しかし、会計ソフトの誕生によって、その様な部も職業も必要無くなりました。
会計を軽く勉強した人でも、ソフトを使えば決算書や確定申告書まで制作できるようになる。
わからない部分が出てきたら、ネットで調べれば知恵袋などに回答が乗っている。
つまり、誰でも出来るようになったわけです。

これだけでなく、在庫管理も同じです。
最新の技術では、ICタグによって在庫がリアルタイムで確認できる。
設備の仕方によっては、その在庫がどの倉庫に何個ずつあって、注文によってどのテンポに何個配送されたのかも分かります。
当然、在庫管理部門も要らなくなる。

材料の仕入れも同じです
今までは、取引業者を自分の足を使って探しに行くという手間がかかっていました。
その為、大量に名刺を持つ仕入れ部門や営業部門の人間は、業者と業者をつなげるハブ的な役割として重宝されていました。
しかし現在では、やる気のある業者の殆どは自社サイトを持っている為、大量の名刺なんてものは過去の遺産となっています。
取引したい業者に片っ端から見積もりを請求し、一番安い所からサンプルを取り寄せれば良い。

この様に、すべての業務が少人数で手軽に出来る様になる。
そうなると当然、解雇という名のリストラが起こります。

いざ解雇された時に自分にスキルが有れば良いですが、もしない場合は困ることになるでしょう。
何故なら、その様な仕事はIT技術に取って代わられている為、全業種が必要としていないからです。
そうなった際には、今までの経験は一切役に立たなくなる。
しかし、大企業で働いていたというプライドだけは高い状態なので、単純労働などに就くことも出来ない。

まさに、お先真っ暗です。

大企業で何かを創造する様なクリエイターとして働くならまだしも、歯車の一部としてデスクワークするなんて業務は、今後かなり減少することが容易に想像できます。
にも関わらず、若者が大企業に就職したいと思うのは、単純に世間に流されているからでしょう。

マスコミは、大企業に就職することが安定だと大々的に宣伝しています。
これは当然のことです。
何故なら、マスコミは大企業からのスポンサー料で運営されているわけですから。
大企業としても、勉強ができて言われた事だけを疑問を持たずにやってくれる人間は便利なので、大量に応募してくれれば人材確保も楽になります。

ですが、よく考えてください。
20年前、携帯電話は一部の限られた人しか持っていませんでした。
インターネットも殆ど知られておらず、知っているというだけでオタク扱いの状況。

それがたった20年で、誰もがスマフォを持ち、携帯端末でネットにつなぐ状況にまで発達しました。
これからの20年で、技術はどれほどまでに成長するのでしょうか。
その技術は、あなたから仕事をう奪うことは無いのでしょうか。

本当の意味で安定を求めているのであれば、職選びは慎重にすべきではないでしょうか。