だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

SNSは何故廃れるのか

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前回、SNSについて投稿者の視点で考えてみました。
今回はSNS内でのコミュニケーションという視点で、SNSについて考えていきます。。

SNSは基本的にコミュニケーションツール。
当然、利用する目的はコミュニケーションであるはずです。
しかし、SNSの中でも特に承認型(facebook mixi)等では、コミュニケーションが行われていない。
この現状がツールとしては結構致命的で、これがSNSが廃れてしまう大きな要因だと思います。

『コミュニケーションツールなのにコミュニケーションをしていない』と表現すると、結構反発も来ると思います。
『私のタイムラインは賑わっている』とか、『投稿に対してイイね!と反応してくれる』等。
しかし冷静になって見直して下さい。
それは本当にコミュニケーションなのでしょうか。

今現在、多くのタイムラインで流れてくる投稿の殆は、【報告】です。
コミュニケーションとは、人間同士が感情や思考等を伝達しあう事です。
しかし、大半の人は他人の意見を嫌い、意思疎通を拒否します。
投稿者は常に、一方的に起こったことを報告するだけに留めています。

投稿を見た側も、その事は百も承知なので、上辺だけの相槌の様な反応を返す。
つまり、タイムライン上で行われているのは報告の応酬であって、コミュニケーションと呼べる程のものではないんです。


例えば、連日の様に呑みに出て、朝帰りしている友達がいるとします。
その様子を写真に撮り、SNSを利用して毎日の様に報告していたとして、その人の友達は、どの様な行動を取るべきなのでしょう。

その友達の事を本当に大切に思っているのであれば、その行動に対して心配すべきでしょう。
もし連日の朝帰りが社会生活にまで影響を及ぼしているのであれば、注意することも必要になるかもしれません。
しかしSNS上で行われている事は、その投稿に対して【イイね!】を押すだけです。


例をもう一つ挙げて、他の視点で見てみましょう。
SNS上では、フードポルノと呼ばれる投稿が非常に多い状態です。
フードポルノを簡単に説明すると、ご飯を食べに行った先で料理の写真を取り、それをSNSにUPするというもの。
この投稿も、典型的な事後報告投稿ですよね。

コミュニケーションツールであるなら、過去の話だけでなく、未来の話もあって良いはずです。
例えば、『明日の晩御飯を一緒に食べに行ってくれる人募集!』という提案型の投稿です。
この様な投稿は事後報告では無く、未来に対しての提案である為、その投稿を目にした人は参加可能で経験を共有出来るものです。
【コミュニケーション】という観点から観れば、これ程SNSらしい投稿は無いのですが、実際に目にする事は殆どありません。


上の例に関してですが、私は自分のアカウントを使って実験的な投稿をしたことが有ります。
どのような投稿をしたのかというと

1.実際に食べに行った先で料理の写真を撮って公開する。
2.数週間~数ヶ月先の大まかな期間を設定し、遊ぶ人を募集する。

これらの投稿に対する反応ですが、フードポルノの投稿は、書いている文章が適当であっても、結構な数の【イイね!】が付きます。

その一方で、参加募集型の投稿に関しては、ほぼスルーで、フードポルノに比べるとかなり少ない数の【イイね!】だけが付くという状態。
当然、参加募集型の投稿に【イイね!】だけを付けられても意味がわからないので、投稿内容に『イイね!は付けないで下さい』という文章を書いた場合でも、【イイね!】が付けられているだけでした。
稀に前向きな『行きましょう!』というコメントが付いた場合でも、日程等を聞いていくと音信不通になるのが殆ど。

この事実から推測出来る事は、SNSに参加している人は、本当の意味での繋がりなどは求めていないという事なんです。

SNSアプリをインストールして、友達の数を増やすと、何となく繋がってるような気になれる。
しかし実際には、それらの人とコミュニケーションが取りたいわけではない。
でもSNSに参加している実感を味わいたく、何となくアクションを起こしたいので、【イイね!】を押しやすいフードポルノに【イイね!】を付ける。
結果として、料理の写真をUPした時のみ反応が返ってくるという状況になり、その反応欲しさにタイムラインがフードポルノで埋め尽くされる。

後に残るのは、フードポルノに対して【イイね!】を付ける作業のみ。

この作業にプライベートな時間が圧迫され始めた時、SNS離れが起こるのではないでしょうか。