だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

消費税についての誤解を まとめてみた

消費税が8%に上昇し、次も確実に10%へ上昇すると言われています。
所得の低い私にとっては、消費税増税は正直辛いです。

その一方で法人税減税は減税。
大企業が優遇されて庶民が冷遇されるという、まるで弱い者いじめの様な構図になっています。
ではこの構図は間違っているのかといえば、仕方のない部分も結構あるんですよね。
というか、消費税そのものが誤解がある税だと思うので、今回は消費税について考えていきます。

そもそも消費税導入自体が直間比率の見直しを目的に導入された税制です。
直間比率とは、直接税と間接税の比率のこと。

直接税=所得税法人税
間接税=消費税・酒税・タバコ税等

直接税の割合を減らし、間接税の割合を増やそうとしているのが、直間比率の見直しです。


では、何故そんなことをしなければならないのか。
これは、法人税所得税が簡単に脱税できるからです。
具体的には、企業は法人税が安い地域に本社を構え、そこに利益が集中するようにすれば節税できる。
所得税も同様に、所得税が安い国に長期間滞在すれば、所得税は滞在している国で発生する為、差額分を節税できる。
その他には、経費を使いまくって赤字にすることで、法人税を免れるという方法もあります。
実際に一生懸命働いて赤字という企業もたくさんありますが、法人税を支払っていない企業が70%もあるのは多すぎます。

これは合法的脱税と言われている手段で、グローバル化が進み始めた数十年前から問題視されている。
今話題になっているピケティー教授が『格差をなくす為に全世界の法人税を一律で増税しなければならない。』と無茶なことを主張しているのは、一国でも抜け駆けしすれば、そこに人と企業が集中するため、効果がなくなるからです。

その解決策として出てきたのが、消費税。
国民から非難轟々の消費税だが、実は悪い面ばかりではない。
結構誤解の多い税金だったりします。


代表的な誤解が、製品を作るために原材料を購入する際にも消費税が発生するので、二次請け・三次請けと業者が変わる度に消費税が発生し、最終的にはかなりの税率になるというもの。
この手の誤解をしている人は、消費税の根本的な意味を理解していない。
消費税は付加価値税なので、付加価値に対して税金がかかるだけなんです。

例を出すと、1000円の商品を作るために、A社から300円・B社から200円・C社から100円のパーツを購入した場合。
誤解をしている人は、最終製品の1000円に80円の税だけでなく、各パーツ・300円には24円・200円には16円・100円には8円の消費税がかかる。
その為、消費税の合計は80円+24円+16円+8円=128円
1000円の商品を製造販売するために128円かかっているから、消費税は8%じゃないと思い込んでいます。

しかし実際には、600円分のパーツを組み合わせて1000円の商品を製造した業者が国に支払う税金は、32円です。
この32円に、原材料を仕入れる際に発生した48円がプラスされ、最終的に80円の消費税となる。
つまり、最終価格が1000円の商品に対しては、最大で80円未満しか国には入りません。
80円未満となるのは、課税所得が少ない貴重に対しては優遇措置があるからです。
消費税1%で2兆円の増税と言われますが、付加価値の合計であるGDPが500兆程あるのに、1%の増税で0.5%しか税収が増えないのはこの為でしょう。

会計上の処理としては、原材料や商品を仕入れた際に発生した消費税は、支払い消費税に計上されます。
その一方で、自社で作った製品やサービスの価格に対して発生する消費税。
つまり、販売した際に受け取る消費税は、受け取り消費税に計上。
一年の会計を〆る際に、受け取り消費税から支払い消費税を差し引いた額を支払うことになります。


先程も少し書きましたが、、中小零細企業には優遇・救済処置も存在します。
課税売上高が1000万円以下の場合は、販売した際に消費税を徴収していたとしても、消費税の納付が免除されます。
ですが、年度初めから1000万円を下回ると確信できるわけではない場合、事業者は一応消費税を付加した値段で値段設定を決めます。
一年後に計算し、売上が1000万円を下回った場合、国に対しては税金が免除され、消費者から徴収した消費税は返さなくても良い為、実質8%分利益が増えることになります。

課税売上が1000万円より多い場合でも、5000万円未満であれば、簡易課税制度が利用できます。
この制度を利用して納付金額を計算した場合、大抵の場合は普通に計算するよりも安い値段となる為、これも救済処置となります。


その他の消費税の有利な点としては、外国人から徴収できる場合があります。
免税店などで購入したものは別ですが、それ以外の店での売買に対しては外国人も消費税を支払います。
つまり、消費された地域に税金が落ちるわけです。
一番最初に合法的脱税の話をしたと思いますが、消費税は海外の本社に利益移転する等の方法で税金支払を回避しづらい税金となります。

余談ですが、海外に輸出をしている企業が消費税を還付してもらっているので、実質大手優遇だと騒いでいる人がいますが、これは誤解です。
消費税は日本国内での消費に対してかかる税です。
海外に販売する場合には、日本が消費税の徴収を行いませんので、原材料を購入した際に既に支払った消費税が還付されるだけです。
輸出をする場合には受け取り消費税が存在しないため、支払い消費税分が戻ってくるだけなので、プラマイゼロです。


こうして書くと、私が消費税が良い事ばかりだと宣伝している様に思われるので、悪い点も書きましょう。
悪い点は唯一つ。
低所得者層の負担が大きいことです。
200~300万円の所得で所帯を持って子供がいる場合、家計に余裕はなく、収入のほぼ全てを使い切ることになると思います。
そうなると、消費税が増税される度に、同じ割合で年収が下がるのと同じ事になる。
その一方で金持ちはどうかというと、収入のすべてを消費するわけでは有りません。

この為、格差は更に拡大することになります。


これらのことを踏まえると、国が取れる行動は基本的に2つしか有りません。

  1. 全世界の国と話し合い、所得税法人税を同じ%で固定する。
  2. 直間比率を見直し、消費税増税の一方で所得税法人税を減税する事で、金持ちと大企業を誘致する

1が理想なのかもしれませんが、ほぼ確実に無理でしょう。
もしこれが可能なのであれば、とっくの昔に戦争はなくなってます。
消去法で2にならざるを得ないのですが、これによって格差は拡大してしまう。

個人的には、直間比率を観直して、且つ、低所得者層の救済処置を拡充する以外に道はないと思います。
具体的には、確定申告によって、低所得者層が支払った消費税を全額還付。
所得控除の下限を引き上げて、税金が発生する給料水準自体を引き上げてしまう等。

一番良いのは、国が効率化をして、国の運営費自体を下げてくれれば、増税そのものが必要なくなると思うのですけどね。