だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

もう一度 NISAについて考えてみる

先日、仕事の関係で銀行に行った際、銀行員からNISAの勧誘を受けました。
少し前に導入された、節税対策になるという話題の新制度ですね。

しかし、よくよく聴いてみると…
営業だからか、良い点しか言わない。
私がその営業トークにいちいちツッコミを入れると、最終的には『皆さん興味がお有りで、申し込みも順番待ちの状態でして…取り敢えず、口座だけでもつくってみませんか?』
と、よく分からない事を言って口説き落とそうとする。
『そんなに申し込みが殺到しているのなら、わざわざ営業しなくても良いだろう』と思いつつも、口座開設を断ってきました。

何故断ったのか。
それは、NISAが良い点ばかりではないからなんですね。
少なくとも、取り敢えずすくるものではない。

という事で今回は、NISAについて改めて考えていきます。


NISAについて簡単に説明すると、NISA口座内で取引した際に発生した損益をなかった事にできます。
つまり、NISA口座内で100万円投資した金が1兆円になって戻ってきても、大量の配当金を貰っても、税金は一切取られないというわけです。

これだけ聞くと、口座を開設しなきゃ損と、つい思ってしまいますよね。
定期貯金を解約してNISA口座を開設して、直ぐに株や投資信託を買いたくなってしまいます。

しかし、これはNISA口座の良い面だけを取り上げたもので、実際には問題点が存在します。
その点を踏まえて、もう一度NISA口座の特徴を挙げていきます。

  1. NISA口座は1人1口座限定。
  2. 口座を利用した売買は、1年間で100万円まで。
  3. 利益分の税金が免除されるのでは無く、売買が無かった事になる。
  4. NISA口座の期限が切れると、切れた時点での価格が取得価格になる。

これがNISA口座です。
どこが問題なのかを、説明していきましょう。

  • NISA口座は1人1口座限定

NISA口座は、取引できる上限金額が決まっている為、1人1口座までと決められています。
実はこの項目が、口座を開く際に結構重要になってきたりするんです。
というのも、各金融機関で購入できる金融商品の幅に、かなりのバラつきがあるからです。

私が勧誘を受けたのは銀行ですが、銀行窓口で個別銘柄をリアルタイムで指値(値段指定)で買う事は出来ません。
銀行で買えるのは、投資信託程度でしょう。
その一方で証券会社の場合は、金融商品のデパートと例えられるぐらいですから、豊富な金融商品と幅広い取引方法があります。

この金融機関の特徴の差を理解せずに口座を開くと、酷い目に合います。

  • 口座を利用した売買は、1年間で100万円まで。

これはよく誤解されるのですが、100万円迄の取引なら何回でも出来るというわけではありません。
延べの取引金額が100万円です。
つまり、50万円の株を購入して売却してもう一度購入すると、枠は尽きます。
20万円の取引なら5回の売買で終了です。

つまり、100万円という金額は決して多いわけではない。

  • 利益分の税金が免除されるのでは無く、売買が無かった事になる。

おそらく最も誤解の多い項目がこれでしょう。
NISA口座は、利益が出てた場合に非課税になるわけではなく、NISA口座内の取引を無かったとにする制度です。

株の取引では、損益通算が可能です。
損益通算とは何かというと、A株を購入して50万円の利益が出たとします。
しかしその後、B株を購入して50万円の損失が出た場合、差し引きゼロになり、利益は発生しません。
これを損益通算といい、全ての取引を合算して計算することが出来るんです。
しかも単年度ではなく、申告すれば3年まで損失を持ち越すことが出来ます。
つまり、3年間のトータルでプラスが出れば良いわけです。

しかし、NISA講座を使った場合は事情が変わります。
NISA口座内での取引で50万円の損失が出て、普通口座内で50万円の利益が出たとしましょう。
この場合、NISA口座内の取引は無かったことになる為、50万円の損失は無かったことになり、普通口座の50万円の利益のみがカウントされます。
結果として、自分の収支は±0なのに、税金が10万円(20%)分取られることになります。

  • NISA口座の期限が切れると、切れた時点での価格が取得価格になる。

NISAは永久的に続くものではなく、時間が指定されている口座です。
つまり、いつかは期限切れとなって普通口座と合算されるわけです。
その合算される金額に問題が有ります。
それは、期限切れとなった時点の価格が取得価格になるということ。

簡単に説明すると、100万円で購入した株が有ったとします。
NISA口座の期限切れの期間まで保有していた場合、NISA口座内での出来事は無かったことになる為、その株が200万円に値上がりしていた場合は、200万円で購入したことになります。
この場合は特をするので問題はありません。
しかし問題は、下がっていた場合。
100万円で購入した株が20万円に下がってしまうと、20万円で購入したことにされてしまいます。
その株がもし、買値の100万円迄戻った場合には、80万円の利益が出ている事にされる為、16万円の税金が徴収されます。

つまり、良いことだけではない。

しかしそれでも、『利益が出た時に税金がかからないのは魅力的だ』と思う方もいらっしゃるでしょう。
その方の為に、一つ良い情報があります。
それは、年間20万円までの雑所得は、申告義務が無い事です。

金融機関で投資信託や株式講座を開く際に、税金を収める方法を選ぶことが出来ます。
この時に、申告が面倒くさいと『源泉徴収あり』を選んでしまうと、利益が出た際に問答無用で20%の税金が徴収されてしまいます。
しかし、源泉徴収無し』を選ぶと、自分で確定申告をしなければなりませんが、税金が勝手に徴収されることはありません。
一年間経過した後に、証券会社等から取引明細が送られてくるので、それらを合算して20万円以下の利益であれば、申告しなければ税金が取られることはありません。

これがどういうことかというと、NISA口座の上限である年100万円の投資金額に対して20万までは申告義務が無い。
つまり、1年間の利益が20%を超えない限りは税金が実質かからないという事です。

もしNISA口座を検討されている方がいらっしゃれば、この辺りを考慮に入れて検討してみては如何でしょうか。

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