だぶるばいせっぷす 新館

ホワイトカラーではないブルーカラーからの視点

ポケモンGOで観る株式市場

海外で先行配信された、ポケモンGO
日本でのリリースが発表されて以来、TwitterのTLはポケモンで埋まり、SNSでも大人気。
ワイドショーやニュースなどの情報バラエティーでも、連日のように取り上げられていますね。

そんなゲームですが、生まれついての『ひねくれ者』の私は、ダウンロードすらしていなかったり…
何なら、このタイミングでIngressをやってやろうかと思っている次第であります。

私自身がプレイしていないので、当然、便乗した記事やアンチ記事など書けるはずもありません。
とういことで今回は、ポケモンGOの登場によって引き起こされた株式市場の動きから、相場の動きについて考えていきます。

株式相場って、結構、難しそうなイメージがありますよね。
相場に全く接してこなかった人達の中には、イメージとして、相場を理解する為には数学や経済学を理解し、株式にまつわる情報などを積極的に集めていないと、株価予測どころか値動きすら理解できなさそうと思っている人が、多いのではないでしょうか。

私自身は専門家では有りませんが、少しではありますが、10年以上にわたり、個人で相場の世界に首を突っ込んでいます。
経済ニュースなども毎日接するようにしていますし、経済ネタのブログを書く際に個別に調べたりもするので、自分の意見が言える程度には分かっているつもりです。

そんな私の目から株式相場を観ると、株式相場は緻密な計算のもとに成り立っているわけではなく、細かいニュースや裏情報によって動いているわけでも有りません。
かなり適当な理由で、株価が急激に上下したりします。

そのことがよく分かるのが、今回のpokemon GOによる任天堂の株価の値動きでしょう。

海外で先行リリースされたポケモンGOでしたが、アメリカではいち早く社会現象化し、ダウンロード数も結構伸びたようです。
アプリの社会現象をネタにした動画なども、動画サイトを中心に広がり、遅れてリリースされる日本でもヒット間違いなしと言われていました。
この話題を受けて上昇したのが、任天堂です。

「ポケモノミクス」 なんて言葉が生まれ、任天堂の株価は短期間で上昇し続け、僅か4日で時価総額が1兆3000億円も上昇したようです。
しかしよくよく考えると、この動きって変ですよね?

というのも、今回のポケモンGOですが、任天堂は直接関係が有りません。
ゲームの基本部分の設計はIngressを制作したナイアンティック社で、この会社がポケモンの知的財産を管理する株式会社ポケモンと共同開発したのが、ポケモンGOです。
任天堂は、共同開発者の株式会社ポケモンの株を30%程度保有しているだけの関係に過ぎません。
ポケモンGOが、今後どれ程の売上をあげるかは分かりませんが、共同開発者の株を30%程度保有しているだけで、会社の価値が1兆3000億円も上昇するのでしょうか?

簡単に試算してみましょう。
まず、スマートフォンのアプリ内課金の場合は、Applegoogleのアプリストアを経由しての課金になります。
これらの課金は、それぞれの会社がプラットフォーム提供料という感じで、取引手数料として30%をピンハネします。

単純計算で、残りは70%。
ここから運営に費用を差し引いいたものを、ナイアンティックと株式会社ポケモンで分けることになります。
正直、運営にどれだけお金がかかるかは分かりませんので、今回は考えないものとします。
ナイアンティックと株式会社ポケモンは共同開発者ですが、ゲームの開発・運営と、キャラクターの貸出しの手間を比べると、かかる労力は全然違います。
労力は全く違いますが、この際、利益の分配率は折半と考えましょう。
70%を折半するので、株式会社ポケモンは35%の利益を受け取ることになります。

任天堂は、この35%分の利益を受け取ることが出来る会社の株を30%程度保有しているだけなので、このアプリの利益の10%程度しか受け取れないことになります。
この試算は、ゲームの運営にかかる経費を考えず、労力の違いを考慮せずに折半するという前提での試算なので、実際の利益の反映はこれよりも更に下がるでしょう。

このアプリがどれ程の潜在能力を秘めているかは分かりませんが、10%分の利益を得るだけで時価総額が1兆3000億円も上昇するというのは、明らかに異常です。
では何故、任天堂がここまで話題になって買われてのでしょうか。
答えは簡単で、このゲームの開発から運営まで全てが、『任天堂』によって行われたと市場参加者が勘違いしていたからです。


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海外でリリースされてから、任天堂株が盛り上がり続けている間、私は株式ニュースなどで日々の動向を見聞きしていましたが、『さすが任天堂ですね!』って感じの発言を結構耳にしました。
しかし実際には、運営も開発も、任天堂では有りません。

任天堂も、周囲の余りのはしゃぎっぷりにビックリし、数日後には『このアプリでの連結業績に与える影響は限定的だ』という声明を出す程でした。

この事から分かることは、株式相場の参加者は、正確な情報を元に計算をして行動しているわけではないという事です。
株式市場の参加者が求めているものは、株価が大きく動く材料であって、その情報が正しいか間違っているかは関係が有りません。
株価に影響のない正しい情報よりも、株価を大きく動かす誤報のほうが重要視されるんです。

これは、今に始まったことでは有りません。
よく分からない材料を引っ張り出してきては、それを元に株を売買するということは日々行われている為、毎営業日、株価実況をリアルタイムで行っているラジオNIKKEIの記者などは、『何故、こんな材料で動いてるんでしょうね。』って感想を頻繁に言っていたりします。
これは、非常に正直な感想だと思います。
これを読んでいる社会人方の中には、自分の業界が市場でニュースとして取り上げられるような専門的な仕事をされる方もいらっしゃると思います。
御自身の業界の話が話題になる様なことがあったら、一度、市場で話題がどの様に取り上げられているかを注意深く見てみてください。
きっと、見当違いな捉え方をされていることでしょう。

株式相場というと、かなりの知識と教養が必要で、日々勉強を強いられる印象が有りますが、実際のところは、パチンコを打ちながらワイドショーネタを話しているのと変わらなかったりするんですよね。

ただ、その程度のギャンブルに一般の人達や政府が振り回されてしまう点は、非常に大きな問題とも言えるんですけどね。

今話題のヘリコプターマネーとは??

ここ最近、経済ニュースを聴いていると頻繁に、ある単語を耳にする用になりました。
その言葉とは、『ヘリコプターマネー』
ちょっと前にも騒がれたことがある言葉なのですが、最近、また騒がれ始めているようです。

という事で今回は、ヘリコプターマネーについて考えていきます。

この単語を簡単に説明すると、金融政策の名前です。
今の資本主義社会は緩やかなインフレによって成長していきますが、今の先進国はインフレが起こらず、物価が下がるデフレ状態になってしまって成長が鈍化しています。
そのデフレ状態を解消し、もう一度インフレにしようというのが、このヘリコプターマネーの目的です。

デフレの主な要因は、消費が低迷する事。
何故消費が低迷するのかというと、消費者が何らかの理由でお金を使わないからです。
『じゃぁ、消費者にお金を配れば良いんじゃね?
中央銀行が大量にお札を刷り、そのお札をヘリコプターで空から街にバラ撒こう!!』

って感じで生まれたのが、このヘリコプターマネーです。

この政策ですが、世間で最初に脚光を浴びたのは、前FRB議長のベン・バーナンキ氏がFRB議長に就任した時だったと思います。
バーナンキ氏は、自身が学者時代だった時にヘリコプターマネーを支持していた為、『ヘリコプターベン』という異名で紹介され、その時にこの政策も注目を浴びた記憶があります。

数年前に注目された金融政策が、何故、現在の日本で再び注目を浴びているかというと、そのバーナンキ氏と安倍首相が面会したというニュースが流れたからなんですね。
なんでも安倍首相は、自身のやりたいことをする場合に、その筋の専門家や学者を呼び寄せて話を聴き、『専門家からアドバイスが有った』という名目で実行することが何度か有ったようで、今回のバーナンキ氏との面会も『ヘリコプターマネーを実行するための口実として呼び寄せた?』との憶測を呼び、注目されたようです。

では実際に行う場合は、どの様に実行するのか。
『刷ったお金を、ヘリコプターで空バラ撒く』なんて事が、本当にできるわけでは有りません。
日銀で刷ったお金は、市場を通して何かしらの資産と交換し、流通させる必要があるからです。

では、どんな資産と交換すれば良いのか。
これは、価値が安定していればしている程、良い事になります。

例えば大昔などは、通過を発行するためには、それに対応した『金(ゴールド)』が無ければ駄目でした。
昔の通貨は、紙切れに信用を付けるために、金と紙幣の交換比率を固定していたんです。
この状態であれば、中央銀行は無尽蔵にお金をする事が出来ず、お金をする為には金を調達しなくてはなりません。
紙幣の価値と実物資産である金とを連動させて、紙幣の信用力を維持していたんです。

しかし金本位制も破綻し、通貨発行の条件は引き下げられることになります。
その為、現在では金以外にも株式・不動産・国債・外貨といった、金融商品と引き換えに発行することも可能となっています。

この制度を利用し、日銀に大量の金融商品を購入させることで、大量のお金を引き出し、『政府が使ってしまおう!』というのがヘリコプターマネーです。
経済というのは難しく考えようと思えば難しく出来ますが、単純化すれば需要と供給に辿り着きます。
不景気な状態というのは供給過多で需要が弱い状態なのですから、政府が大量に消費することで需要を増やせば、需給バランスが変化して供給過剰を解消することが出来る。
政府が下支えしてお金を使い続けて、良い具合に好景気のサイクルに入れば、税の増収によって政府の赤字は解消できる!というのが、ヘリコプターマネーの基本的な考え方です。

この話を聴いて、『従来のバラマキ政策とは違うの?』と思われる方も居らっしゃると思いますが、基本的には同じです。
では何が違うのかというと、現状のニュースなどで言われている話をまとめると、資金の調達先が若干違います。

従来のバラマキ政策は、政府が赤字国債を市場で販売する事で、政策実行の為の資金を得ていました。
しかしヘリコプターマネーの場合は、市場で国債を販売するというよりは、中央銀行に引き受けてもらおうという話になっているようです。
勿論、日銀のよる国債の直接買い入れは、法律的に不可能です。
ですが、ヘリコプターマネーを推し進めようとうする勢力の方々は、この部分の法律を変えてでも、日銀に買わせるべきだと主張しています。

何故、日銀による直接買い入れが必要なのかというと、インフレ対策なのでしょう。
日銀は、2%のインフレ目標を立てていますが、仮に従来通りのバラマキ政策をする為に国債を大量発行して実行し、その政策が成功してインフレになった場合、その分だけ国の金利負担が増大します。
というのも、金利というのはインフレに連動しています。
当然ですよね、だって、国債を購入しても1%未満の金利しか付かないのに、土地を購入するだけで価格が毎年2%上昇するなら、国債を購入するよりも土地を購入したほうが、運用的には良い事になります。
インフレ率が2%以上になり、5%・10%と上昇していけば、より現物資産で持つほうが有利になるので、低金利国債は売れなくなります。
日本は、支払い金利と元本の借り換えだけでも凄い量の国債を発行していますが、この発行分の金利を相当高くしないと、市場で国債を捌けなくなってしまいます。

ですが、日銀に買わせればどうでしょう。
例えば、償還期限の無い無期限国債を発行し、それを全額、日銀に買い取らせます。
国債は償還期限が長ければ長いほど支払い金利は上昇しますが、聞いた話によると、日銀が得る金利収入は国に返還されるようなんです。
つまり、仮にヘリコプターマネーが成功してインフレになったとしても、発行している国債の殆どを日銀が購入していれば、支払い金利は実質ゼロという事になるんですよね。

ただ…
政府の借金の大半を日銀が背負うという状況は、誰の目から見ても『財政ファイナンス』です。
簡単にいえば、政府がお金を刷って経済を動かしているのと一緒。
過去に、お金を刷る事で財政難を克服しようとしてきた国は、大抵、ハイパーインフレになって破綻しているんですよね。

これは、当然といえば当然です。
お金は、ただ単に数字を印刷しただけの紙に過ぎません。
その紙に信用力を与えているのは、発行元である中央銀行がそれ相応の資産を保有しているからです。
しかし、その中央銀行が持つ資産の大半が、返済されることの無い債権だったとしたら?
そんな通貨を信用する人間なんて、いませんよね。

今はまだ、実行しようという話にはなってはいませんが、仮にヘリコプターマネーが実行されるような事になれば…
日本は、終わってしまうかもしれませんね。

【本の紹介】 戦争と革命の世界史

今回紹介する本は、『戦争と革命の世界史 (だいわ文庫 H 320-1)』です。



この本は、Amazonで歴史関連の本を適当に観ていた際に、おすすめ商品として紹介されていたのを観て、なんとなく興味を持って購入してみました。
本のタイトルは『戦争と革命の世界史』という事で、本の内容も戦争と革命に特化した内容となっています。

この本は、普通の歴史の本とは少し違った感じで構成されています。
従来の教科書などは、過去から現代に向かって時代が進行していく為、序盤の方では自分の時代とはかけ離れた時代に遡って勉強する必要があります。
しかしこの本は、それらの本とは逆で、近代から過去に遡って行くように書かれているのが特徴ですね。

まず、現代の大きな出来事を解説し、その出来事は何が原因で起こってしまったのかを遡る。
焦点を少し過去の出来事に戻て少し過去の出来事を紹介し、その時の社会情勢や世界の動きを踏まえて解説が行われます。
そして最後には、また、『この出来事が何故起こったのか、その原因は…』という感じで、過去に遡ります。

歴史の中でも結構大きな戦争や革命に焦点を当てて、その原因を探るために過去の出来事や取り巻く雰囲気を勉強していくというスタイルで書かれているのが特徴ですね。

歴史に限らず勉強は興味を持つまでが勝負で、興味さえ持ってしまえば義務感から開放されて、ゲームのように勉強を進められます。
しかし、その『興味をもつ』という状態にするのが、結構難しかったりしますよね。
この本の場合は、最初の章でアメリカで起こった世界同時多発テロを取り上げ、『何故この様な事が起こってしまったのか』という感じで遡っていくように書かれています。
世界同時多発テロが起こったのは最近ですし、余程小さい子供でもない限り、皆さんが生まれてから起こった大事件ですよね。
それを最初の題材に取りあげて、『この事件が起こってしまった原因は…』といった感じで始まるので、普通の歴史の勉強に比べると、興味を持ちやすい作りになっているように思えます。

誰でも、観たこともなく想像することも難しいような5000年前よりも、ついこの間起こった大事件のほうが興味ありますもんね。
そういった意味では、『歴史なんて大昔のこと、何の為に勉強するの? 今の社会を生きていく上で必要あるの?』と疑問を持っている人ほど、歴史と今の社会との関連付けが出来て、引きこまれていくと思います。


この本、タイトルでは『戦争と革命の世界史』となっているので、世界史全般のことが書かれているように思われる方も居らっしゃるかもしれませんが、書かれている範囲は、限定された狭い範囲となっています。
この本自体が新書でページ数も260ページ程、1ページにビッシリ書いているというわけでもなく、1ページ内の文字数を少なくして読みやすさを重視した作りになっている為、仕方がないでしょうね。

歴史の範囲としては、先程も書きましたが、アメリカの同時多発テロから始まり、その事件の首謀者を産んだ中東の歴史へと移っていき、イギリスの産業革命フランス革命などまで遡ります。
現代から徐々に遡って200年ほど掘り下げた所で終了します。
また本の書き方は箇条書きではなく、『この事件が引き起こされる原因は、ここにあった!』といった感じで、一つ一つの出来事を関連付けして一つのストーリーのように書かれている為、そのストーリーに関係のない国は殆ど出てきません。

具体的にどんな国が出てくるのかというと、主に、欧米と中東(主にイラン・イラク)とロシア(ソビエト連邦)。
これらの国を中心に、現代から約200年前程の歴史を物語調に書いてあるので、その他の部分について知りたいと思っている方や、歴史全般について知りたいと思われている方は、注意が必要です。

まとめると、欧米・中東・ロシア(ソ連)の期近200年穂都の歴史を、新書の260ページで、1ページ内にぎっしりと文字を詰め込むこと無く、文字数を少なめにゆったりと書く事で、本が苦手な人でも読みやすく書かれた本という感じでしょうか。
前提となる知識がなくても読むことが出来る為、学生が受験のために読む本というよりも、ここ最近に起こったニュースを理解する為の教養が身につけられるような本になっているので、社会人の人にオススメ出来る本ですね。


本を読んでみた感想…というよりも注意点ですが、この本は基本的に、『欧米憎し!』『諸悪の根源、欧米!』って感じで書かれています。
この本の中でのヨーロッパは、ユーラシア大陸の西の端で、絶えず戦争をしている野蛮な国で、中国や中東に遥かに劣る遅れた国といった感じで紹介されています。
その反面、中国や中東はヨーロッパに比べて文明的に進んでいて、遥かに文化的で進んだ国といった事になっています。

欧米や白人に対する蔑視が強いため、この本だけを読んで歴史を理解しようとすると、少し歪んだ形で認識してしまう可能性もあるかもしれませんね。
確かに産業革命以降、経済発展の為の貿易路確保の為の侵略戦争が欧米主導で行われて来ましたし、酷い事件も沢山あったことは事実でしょう。
ただ、それは偶然にも欧米が他国を制圧できる技術を先に手に入れたからであって、欧米人が野蛮だから起こった出来事と決めつけることは出来ないと思うんですよね。

人間なんて、多少の違いはあっても考えることは似たり寄ったりなので、日本や中国・中東が欧米よりも先に高い技術発展をしていたら、先に攻め込んでいた可能性も大いにあります。
また、近隣諸国と小競り合いを起こして戦争や紛争を繰り広げていたのは、ヨーロッパだけでは有りません。
日本も、数百年に渡って内部で争っていましたし、中国も国を作っては崩壊させています。

人は人種に限らず、大き過ぎる力を持つと他人を見下して攻撃して制圧しようとする人が一定数出てきます。
過去に起こった悲惨な出来事を肯定するわけでは有りませんが、『欧米だから。白人だから』起こった出来事という感じでもないと思うんですよね。
そういった目線で見ると、結構、バイアスの掛かった書かれ方をしている本で、これだけを読んで歴史を理解した気になるのは危険だなとも思いました。

とはいっても今の日本の報道などは、基本的には欧米寄りの姿勢で報道される事が殆ど。
映画をはじめとする各種エンターテイメント等も、欧米のものが中心となってきているので、そんな環境に晒されている私達は、知らず知らずのうちに親欧米のスタンスになりがちです。
そういった人達の目を覚まし、『必ずしも欧米が正しいとは限らない』という視点を与えるという意味では、調度良いぐらいの書き方とも言えるのかもしれないですけどね。

今まで歴史い興味がなく、報道されているニュースを鵜呑みにしてきた人にとっては、良い感じで刺激を与えてくれる本だと思います。
これを読んで興味を持たれた方は、是非、読んでみては如何でしょうか。

祇園祭と、『もてらじ』交流会

先週末(2016年7月16日)のことですが、久しぶりに祇園祭に行ってきました。
祇園祭は、京都の中でも一番の繁華街の河原町周辺で7月の1ヶ月を使って開催される祭り。

私は開催地に近いところに住んでいる為、行こうと思えば簡単に行くことが出来るのですが…
実は数える程しか行ったことが無かったりする祭りだったりします。
というのも、京都の夏は湿度が高くて夜でも暑く、祭り時は特に人口密度も高い為、かなり不快。
それに加え、祭りが行われている範囲が広い為、不快な状態で長時間歩かなければならないので、面倒くさいんですよね。
また、観光地や行事の開催地に近いとろこに住んでいる方にとっては『あるあるネタ』だろうとは思いますが、『いつでも行ける』と思うと、案外、行かなかったりするもんなんです。

そんな祭りに、何故、行ったのかというと、私が普段から愛聴しているラジオ番組『ネットラジオ BS@もてもてラジ袋』のメインパーソナリティーである、『ぶたお』さんが来られるというのをTwitterで知ったからです。

土曜日は基本的に仕事なので、適当に済ませて準備し、18時頃に家を出発。
合流地点を目指しつつ、折角なので祭りも満喫してやろうと、歩行者天国となっている四条通河原町通から西に向かって歩き出しました。

しかし、毎度のことながら人がかなり多い。
『まぁ、祭だしねぇ』と思いながら、山鉾を鑑賞しようと思って左右を見渡すが、なんにも無い…
四条通河原町通から歩行者天国になってはいるが、ただ歩行者天国なだけ。
露天は昔から四条通にはなかった記憶が有りましたが、何のための歩行者天国なのかと思ってしまう程に、山も鉾も無い。

山鉾の配置を覚えているわけではないので昔からこうなのか、それとも、四条通の歩道拡張が原因なのかは分かりませんが、何もない歩行者天国を、ただただ西に歩きました。
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歩くこと、10分程でしょうか。
百貨店の大丸付近に到着した所で、ようやく鉾を確認。
しかし、私と同じように何もない歩行者天国を歩かされた人達は、ここぞとばかりに立ち止まって写真を取ろうとするので、ここで流れが完全にストップ。
『余裕があれば、山鉾を鑑賞してから合流』なんて甘い事を考えていた私ですが、今まで以上の混雑っぷりに心が折れ、四条通から北に抜け出して錦通に入ることに。
脇道に入ると人口密度も少しマシになり、余裕を持って歩くことが出来るようになりました。。
このまま西に進んで山鉾を鑑賞しても良かったのですが、合流地点は大丸近くの立ち呑み屋。

丁度、合流地点近くに着いてしまったので、私にとっての祇園祭はここで終了。
集合場所の立ち呑み屋『百』に行ってきました。

外まで迎えに来てくださった『ぶたお』さんに連れられて店の奥に行くと、そこには既に2人のリスナーさんが既に呑んでおられました。
一人は、『黒太くん』さん。もう一人は、同じ『もてらじ村民』の『ヤジベエ』さん。
軽い自己紹介を済ませた後、乾杯をして呑み会に参加させて頂きました。

この『百』という店。
存在自体はブログなどで知ってはいたのですが、かなり凄い店でした。
何が凄いって、料金システムです。
店のメニューに記されているものは、基本的に100円(税込み108円)です。
ビールはジョッキサイズがダブルになる為、料金hあ216円。
事前に1000円のチケットを購入すると1100円分として利用でき、2000円分のチケット購入で2300円として利用できる為、ただでさえ安いのに更にお得という素敵仕様。。
この日は祇園祭価格ということで、ビール(ダブル)が108円増しで324円になる代わりに、チャージ(108円)が無しになるというシステムに変更していましたが、それでもかなり安いですよね。

『ぶたお』さん達の話によると、元々このお店は昼に弁当販売をしていて、余った惣菜等を販売して食べてもらう為にビールなども売り始めた店のようですね。
(うろ覚えなので、所々、間違っているかも。)
それにしても、この価格で販売していて利益が出るのかが心配になるレベルの安さでした。
その後は、ヤジベエさんが翌日の山鉾巡行に参加するということで帰られたので、3人で呑みながら移動することに。

あてもなく、ビール片手に裏路地を彷徨い歩く3人。

ビールを補給しつつの探索ですが、祇園祭の様に都市のど真ん中で開催される祭りはビールなどがコンビニで定価で購入できる点が非常に良いですね。
普通の祭りの場合は、ビールなども露天で500円とボッタクられますが、祇園祭の場合はそこら中にコンビニがありますし、何か食べたいなら飲食店がある。
また、地元の飲食店が軒先で料理などを提供していたりするので、飲食に困ることがない上に選択肢も広いのも魅力の一つと言って良いでしょう。

普段の河原町周辺、特に裏路地などは人通りが殆ど無い通りなのに、祭りという事でかなりの人で賑わっていました。
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ガレージを併設しているコンビニは、ガレージにテントを貼って飲食できるようにしていたり、酒屋の前では、椅子を出して座って呑んでいる人。
この人通りを利用して、ここぞとばかりに店の商品を売り捌く為にセールをする人など、普段の京都では絶対に見ることが出来ない風景を見ることが出来て、非日常的な祭りの醍醐味を味あわせて頂きました。

その後、東へ東へと歩き続けて木屋町周辺まで辿り着き、休憩がてら『王将』に入店。
餃子とビールを注文し、後はひたすら話していました。
話題はいろいろで、日本とアメリカのアニメやマンガの差などから始まり、和ゲーが何故、アメリカに抜かれて追いつけないのかについて話していた記憶があります。
最終的には、龍が如くの悪口とか龍が如くの悪口とか、後は、龍が如くの悪口とかを話している間に終電の時間が迫ってきたということでお開きに。
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今思い返してみると、話の中心となっている『ぶたお』さんが、話題が途切れそうになると新たな話題を振ったり、話題に対する意見を求められたりというのを自然に行われていて、非常に話しやすかった記憶があります。
その結果として、なんだかんだで6時間ぐらいの呑み会になりましたが、その間、一度も話題が途切れない、非常に楽しい呑み会となりました。
流石は、『もてらじ』のメインパーソナリティー『ぶたお』さんという感じ。
この部分は、コミュニケーションが苦手な私は大いに学ぶ必要があると感じさせられました。

ただ楽しいだけでなく、いろんなことが学べた一日となり、大変満足しました。
また機会があれば、参加してみたいと思える、素晴らしいイベントでした。

学校の授業は、何故つまらないのか。 (後編)

今回の投稿は、前回の続きとなっています。
まだ読まれていない方は、先ずそちらから読まれるよう、お願い致します。
kimniy8.hatenablog.com

また前回も書きましたが、今回の投稿は、学生時代に勉強が嫌いで『つまらない』と感じていた人間の立場から書いています。
勉強が好きで、自分で教科書を読んでいるだけでドンドン成績が上がっていったような人は共感できませんので、そもそも読まないか、勉強嫌いの人がどのように感じていたかを理解してやろうというスタンスで読んで頂けると助かります。

良く、学校の勉強が『つまらない』『嫌い』と感じている人は、勉強の大切さが気がついていないから、やる気が出せなかっただけという話を聴いたりします。
ですが私は、社会人になってから勉強の大切さを痛感し、『このままじゃ駄目だ!』と思って勉強を始めたにもかかわらず、学校で行っているような勉強は『つまらない』と感じで5分で睡魔に襲われたので、勉強が『つまらない』のには他の原因が有るのではないかと思い、自分の感じたことを整理してみました。
結果、大きく分けて3つの原因にたどり着きました。

それがこれ
・暗記に重点が置かれすぎている
・教科書は事実の箇条書きで、単体で理解するのは難しい。
・授業の大半は、教科書の補足説明を教師が黙々と黒板に書き、生徒はそれをノートに書き写すだけで終了する。

(私が社会に出てから勉強しようと思った科目は『歴史』なので、基本的に歴史の勉強について思ったことを書いていきます。)

まず、一番最初の暗記です。
暗記は、勉強においては基本中の基本なので、暗記が必要ないといっているわけでは有りません。
特に理系や英語などは、基礎的な部分の暗記は必須で、暗記しなければ始まらないという事も理解しています。

重要性自体は理解しているのですが、暗記そのものに偏りすぎている気がしてなりません。
歴史などは、年号の暗記をしておくと便利なことかもしれませんが、本当に重要なのは、当時を取り巻く環境がどういう状態で、その中でどのような決断を迫られ、実行したのかが重要なのではないでしょうか。
『歴史は繰り返す』なんて言いますが、人が考える事はそこまで大差がない為、環境が似ていれば、似たような決断を下してしまう場合が多い。
過去に下した決断がが正しい判断なら良いですが、間違っている場合は『同じ間違いを繰り返さない』為にも、歴史を学ぶ必要があります。

しかし、私が学生時代に受けた授業を振り返ると、◯◯年にこの人物がこんな出来事を起こしました。
『ここ重要だから(テストに出るから)暗記しておいて』という授業が大半でした。
そこには物語性もなく、ただただ出来事を丸暗記するだけの作業を押し付けられていたという感じしか受けなかった印象があります。

次に、教科書は事実の箇条書きで、単体で理解するのは難しい。
これは、先ほど書いた暗記の話にもつながるのですが、教科書は基本的に、暗記すべき事柄を箇条書きで書いてあります。
この書き方は、大きな流れを理解して把握している人間が読む場合は、短時間で大きな流れをおさらいできるので、非常に便利な書き方だと思います。
しかし、何の知識もない人間が読む場合、これほど退屈なものは有りません。

ロザンという漫才コンビの宇治原さんは、『教科書には大切なことしか書かれていないのだから、丸暗記すれば良い』と仰っていますが、それが出来るのなら苦労はしないんです。
大抵の人間は、箇条書されたマニュアルのようなものを何冊も暗記するなんて事に労力を使いたくないんです。
というか、『これに書かれている事は重要なので、インストールしておいてね』って、ロボットか?って感じですよね。

ただ教科書自体は、教師の解説が入ることを前提に書かれているので、『教科書を読んだだけで理解が出来ない』という批判は、酷かもしれません。
教師が解説を挟むことで理解できるように作れ!という命令が下っている可能性もありますしね。
それに、日本史にしても世界史にしても、あれだけ長い時間に起こった事で重要な出来事の大半を網羅し、且つ、数百ページで終わらせようと思うと、箇条書きになってしまうのもしかたのないことなのかなと。
冊数を増やして対応するという考えも有りますが、そうすると教科書代が結構な値段になってしまう事も考えられますしね。

こういう事も考慮すると、重要になってくるのが、解説をする教師の役割です。
重要な事が箇条書きで書かれている本を、より理解して覚えやすくする為に解説を加える。
授業が面白くなるつまらないと感じるかは、この解説の良し悪しで決まると言っても過言では有りません。

では学生時代、どのような授業が行われていたのか。
私が覚えている範囲では、教師が黒板に文字を書く。
     ↓
生徒は、黒板に書かれた内容をひたすら書き写す。
     ↓
生徒が書い写し終わると、教師は書いた内容を読んで、若干の注釈を加えるという感じ。
これが何サイクルか繰り返されると、授業が終了するという感じでした。
教師が生徒に背を向けて黒板に文字を書いている時間が結構長く、授業の半分ぐらいは、文字を書いているだけで時間が過ぎていた記憶があります。

教師側には1年間で進めなければならないペース配分などの都合がある事は理解できるのですが、そのペースを守ろうとする余り、『教える』というよりは黒板に書く作業になっていた印象が強いんですよね。
そして、ひと通り書いた後に『ここがテストに出るかもしれない』と暗記を促されて、その部分を覚えるだけ。
これなら、黒板に書く内容を紙に書いてコピーして配ってくれた方が、教師も生徒も書く作業から開放されて、効率が良いようにも思えてしまう。

教科書を読み、黒板を書き写し、指定されたところを丸暗記。
これでは、つまらないと感じて当然のように思います。
この様な授業を受けた人の大半は、学校卒業と同時に授業内容を忘れるでしょう。
全てを網羅する為に重要箇所を箇条書きにして丸暗記を強いた結果、暗記が必要なくなると全てを忘れる。

この様な勉強は、教養を身につけるという点では無意味でしょう。
多くの人の記憶に残らないわけですから。

こんな勉強を数年間かけて行うのであれば、みなもと太郎先生の描く『風雲児たち』(関ヶ原~幕末にかけての歴史漫画)を47巻読破した方が、興味を持って読むことが出来て大まかな流れが理解できる分、はるかに役に立つでしょう。
全体的な大まかな日本の歴史を学ぶのなら、石ノ森章太郎先生の『マンガ 日本の歴史』を読めば良い。
マンガで説明されている程度では、大雑把すぎるという批判も有るかもしれないが、そもそも学校の授業では何も頭に残らないのだから、大雑把にでも残る方が後の人生を考えると良いでしょう。

この差はどうして生まれるのかというと、興味を惹けるかどうかの差だと思います。
漫画の方は、子供の興味を惹く事を中心に考えられて創られていますが、学校の授業や教科書が意識していることは、1年間で進めるべきスケジュールであって、受講する側の興味や理解は2の次になっているからだと思います。

個人的には、どうせ卒業した後は忘れるのであれば、取り扱う範囲を狭く浅くして、余った時間で子どもたちの興味を惹く努力をしたほうが良いのではないかと思います。
興味さえ持てば、人には好奇心が有るんだから、学生の何割かは自発的に本を読むなりして知識を広げるのですから。

学校の勉強は、何故つまらないと感じるのか (前編)

私は学生時代、勉強が大嫌いでした。
昔の記憶なのであやふやな部分も有りますが、学校の勉強時間は非常につまらなかった記憶があります。
また教師や親からも、『学校の勉強なんて社会にでると使わないが、就職に有利だから、進学の為に勉強しろ』と言われた記憶も有り、将来必要のないものを、何故、必死になって覚える必要があるのかが解らず、余計にやる気がなくなった記憶もあります。

しかし、社会人になってから勉強の大切さに気が付き、最近は余裕が有る時などは本を読んで過ごすようになりました。
この様な状態になってから、『学生時代に、まじめに勉強していれば良かったなぁ』などと後悔していたりします。

私の他にも、同じ様に後悔をしている人は多いのではないでしょうか。

実際に社会で生きていると、あらゆる事に学校で覚えた知識が必要だということに気付かされます。
例えば、戦争モノの映画を観た際に、歴史を知らないからアクション部分しか理解できなかったり、美術館に絵画を見に行っても、そもそもの見方が解らなかったり。

前提となる知識がないと物事の表面的な部分しか理解できない事に気がつき、社会に出て初めて勉強の大切さに気がつく事って、結構多いと思うんです。

そんなわけで、暇があって且つ、気分がノッている時には本を読むようになったのですが…
自分で勉強をしようと思うと、無意識のうちに自分の好きな情報だけを集めようとしてしまいます。
これはこれで、全く勉強をしないよりかはマシだと思うのですが、これだと興味のない部分はほぼ手付かず状態になってしまいます。
社会人ということでテストもないので、知識が偏っていても問題無いとは思うのですが、それだと視野が狭まってしまう様にも思うので、出来るだけ全体的な知識も欲しい。

しかし、興味が無い分野だと、そもそもなにから勉強して良いのかすらわからない。
どうすれば良いものかと、しばらく考えていた所、一つの方法を閃きました。
学生時代に勉強するような幅広い知識が重要なのであれば、学校で行うような勉強を行えばよいのではないかと。

幸い今の時代は、youtubeなどの動画配信サービスで、素人の方が授業風の動画を上げていたりします。
また、Amazonでは教科書メーカーが出版している『もう一度学ぶ日本史』なんて本も簡単に購入することが出来ます。

という事で、早速やってみましたよ。『学生時代の勉強』を。
学生当時は全くといって良いほどやる気が有りませんでしたが、今現在は勉強によって得られる知識の重要さもわかっていますし、勉強が自分の視野を広げてくれることを理解しています。
また、誰に強制されているわけでもないのに実行しようと思っているわけですから、やる気も有るといって良いでしょう。

そんな状態でいざ勉強を始めてみると、どうでしょう!

結果、5分で寝れました。

いざ実行してみると、一つの事実に気が付きます。というか、思い出すといったほうが良いのでしょうか。
学校で行っているような勉強が、非常につまらないことに。

という事で前置きが長くなりましたが、今回は、学校の勉強が何故つまらないのかについて、考えていきます。

今回私が行ったのは、歴史の勉強。
勉強はいろんなことに役に立ちますが、その中でも歴史は、映画などのエンターテイメントを楽しむためにも、人と会話をするためにも、先の未来を想像するためにも役に立つと思い、入りやすそうな歴史を選択してみました。

Amazonで、教科書メーカーが出している『もう一度読む』シリーズの日本史と世界史を、早速購入。


   

youtubeで、学校の授業風景っぽい動画をみて、早速勉強してみました。

最初に書いておきますが、私が基本的に無知で馬鹿だという前提で、そのことは棚に上げた上で書いていきます。
『理解できないのは、お前が馬鹿なだけだろ』っていうツッコミを入れたい方もいらっしゃるでしょうが、そもそも勉強は知識のない人間が知識を吸収するために行うもの。
教科書を読んで『楽しい!』なんて思える人は、そもそも勉強についての悩みなんて無いと思うので、私の立場は理解できないと思います。
そういう方は、そもそもこの投稿は読み飛ばすか、温かい目で観てくれるようにお願いします。

と、前置きが長くなり過ぎたので、今回は問題点だけを挙げて、詳しい説明は次回にということにします。
私が感じる学校の勉強についての問題点

・暗記に重点が置かれすぎている
・教科書は事実の箇条書きで、単体で理解するのは難しい。
・授業の大半は、教科書の補足説明を教師が黙々と黒板に書き、生徒はそれをノートに書き写すだけで終了する。

細かく分けるともう少し有るのですが、大きく分けるとこんな感じでしょうか。
という事で、長くなってきたので今回はこの辺りで。
次回、もう少し詳しく書いていきます。

Brexit(ブレグジット)イギリスのEU脱退の影で進行する危機

最近の経済ニュースといえば、イギリスのEU脱退。
専門家と称する人達や、テレビの情報を鵜呑みにして『イギリスは馬鹿だ』と騒いでいる今現在、EUでは新たな問題が出てきましたね。

どんな問題かというと、イタリアの銀行の不良債権問題。
不良債権問題といえば、日本でもバブル崩壊後に起こったので、この言葉を知っている方も多いのではないでしょうか。

日本の場合は、バブル景気で高騰した土地を担保に金を貸したのは良いが、バブル崩壊で担保の土地が大幅に下落してしまい、担保として機能しなくなってしまいました。
担保が下落したとしても、返済が通常通りに行われれば問題はないのですが、不景気になるとその返済も滞りがちになってしまう。

担保不足な上に、返済もうまくいかない。
最悪の場合は貸した企業や個人が破産するなんてことになってしまうと、その損失は銀行が被ることになります。
銀行の損失が増えて自己資本が減少すると、銀行は資金の貸出料を減らさなければなりません。
こうなると問題の無い企業にも影響が出てしまう為、日本は公的資金注入等で銀行の資本を増強し、何とか乗り切りましたよね。

その不良債権問題に、イタリアが直面しているようなんです。
不良債権額は、試算で400億ユーロといわれていて、結構な金額。

『日本と同じ様な状況なのであれば、イタリアも同じように、公的資金注入をして乗り切ればよいのでは?』と思われる方も少なく無いと思うのですが…
今回の件は、そんなに単純なものではないようなんです。
何故かというと、規制で域内各国をがんじがらめにしているEUが、国による公的資金注入を許可しないようなんですね。
もし資本注入が必要なのであれば、国ではなく民間銀行で救済ファンドを立ち上げて自分達で処理しろというのが、ドイツ帝国EUの方針です。

仮に損失が出た場合は、『銀行の債券保有者と株主が負債をかぶれ!』と正論をぶちかましております。

ステイクホルダーが全ての負債を被るという話ではなく、銀行負債の8%を株主と再建購入者が負担しろというものらしいのですが、人によっては結構な負担ですよね。
『銀行の株や債券を持ってるのなんて、金持ちばっかりだから問題はないでしょ?』と思われる方も多いでしょうが、実はそうでもない様子。
銀行は、ろくなリスク説明をせずに、銀行債の購入を預金者に持ちかけていたようなんです。
日本でも、『銀行預金なんて金利が付かない』と言われて久しく、それなら、国債社債を購入したほうが金利収入が得られるなんて話が結構されてますよね。
そんな感じで、なけなしの預金を銀行債に変えたという人が結構いたようです。

債権者や株主が損失を被るこの規則は、ベイルイン規則というらしいのですが、昨年末にイタリアの銀行が破綻した際にベイルイン規則を適用した所、多額の損失をだしてしまった年金生活者が、自殺してしまったという事件もあったようです。
イタリア政府としては、国民の被害を最小限にしたい為、ベイルイン規則を緩和や一時適応外にして欲しいと主張しているようですが、ドイツが納得せずに公的資金注入が出来ないという状態になっているようです。

ここでも存在感を出してきましたね、真面目なドイツ様が。

まぁ、この問題。
正直な話、イタリア国内で収束していれば、影響は有るにせよ、比較的小さなショックで収まる可能性もあります。
しかし、この件から派生して、もっと大きな問題が発生してしまう可能性が出てきました。

それが、ドイツ銀行の破綻懸念。
地上波のニュースばかり観ている人は、寝耳に水の話かもしれませんね。
しかし、ラジオNIKKEIやCNBCといった経済専門チャンネルでは、数カ月前から囁かれていたのが、ドイツ銀行の破綻懸念です。

では、ドイツ銀行は今現在、どのような状態にあるのでしょうか。

ドイツ銀行金融派生商品保有率が非常に高く、かなりのリスクを抱えているようです。
金融派生商品といえば、リーマンショックで一般的にも有名になりましたよね。
少額のお金で大きな変動リスクを扱えることが出来る金融派生商品は、仕組み自体が複雑。
その複雑な仕組みが多数組み合わさっている為、金融市場に大きな変動があった際に、どの様に影響が受けるのか分かりません。

という事で銀行に対し、金融リスクに晒された時に銀行に耐える体力があるのかを確かめるために、ストレステストが行われたのですが…
ドイツ銀行は、そのテストで見事に不合格。
IMFから直々に、『ドイツ銀行は影響力が大きいのだから、財務状態をなんとかしろ!』と警告されてしまいました。

規模的にいえばリーマン・ブラザーズが破綻した際に起こったリーマン・ショック以上と推測されている為、あのような混乱の再来を防ぐために必死といったところでしょうか。

ドイツ銀行の破綻は、本来であれば公的資金注入をするなり何なりして絶対に避けなければならない自体ですが、冒頭のイタリアの件でも書いた通り、ドイツはEUの規制を使って、国による公的資金注入を禁止しています。
真面目なドイツ様のことですから、他人に禁止している行動を自分だけ行うなんてことはしないでしょう。
まさに、自縄自縛といった所でしょうか。

この様なEUの混乱した金融市場を観ていると、いち早くEU離脱を決めたイギリス国民は馬鹿でも何でも無く、沈みゆく泥船から真っ先に飛び出した賢明な国民の様にすら思えてきますね。

この金融危機は数カ月前から指摘されていることですし、リーマンショックによる学習効果も有るので、EUは何が何でもリスクを回避しようと頑張るでしょう。
現にドイツ銀行は、保有しているデリバティブ商品を徐々に売却しているようですし、最悪の場合は、EUの規則を変更して、国による公的資金注入も認めるようになるかもしれません。

ただ、今回の投稿を通して頭に入れておいて欲しいことは、ヨーロッパではイギリスのEU脱退よりも影響の大きな経済的懸念が存在するってことなんです。
遠く離れた日本に住む我々からすれば、『イギリス人て馬鹿だよね~』と上彼目線で笑っているのは心地よいかもしれませんが、物事の表面だけしか観てないと、思わぬリスクに足を救われる可能性もありますしね。

経済ニュースにおける、恐怖のシナリオの作り方と煽り方 その悪影響について

前回は、マスコミやそれに関わる関係者が、恐怖を煽っているということについて書いていきました。
kimniy8.hatenablog.com

では、どの様にして恐怖を煽るのか。
今回は、このことについて考えていきます。

物事を正しく認識する為に最も必要なのは、情報を集めることです。
しかし更に重要なのが、この情報の使い方です。
先日まで放送していた深夜アニメ『ジョーカーゲーム』でも、『情報は集めるよりも使うほうが難しい』と言われていましたしね。

何故、情報の使い方のほうが難しいのか。
それは、事実は見方や立場によって、どのようにも捉えることができるからです。

一つの情報・物事には、多数の見方が存在します。
物事を正しく認識する為には、当然のことですが、情報を多方面から観ることが重要になってきます。
一方から見れば悪いことでも、裏側から見ると良いこともある。
そして、側面から見ると全く違ったようにも見える。
正しい理解をする為には、出来るだけ多方面から観ることで、物事を正確に理解することが大切になってきます。

これは、経済ニュースでも同じことです。
一つ例を挙げると、イギリス脱退についての分析で『イギリス脱退によってポンドが売られ、イギリスの購買力が落ちることによって経済が悪くなる』という意見があります。
確かに、通貨安には、この様なデメリットもあるでしょう。
しかし、このニュースを額面通りに受け取ると、通貨が高い場合は、購買力の上昇によって景気は良くなるはずですよね。

通過というのは天秤のようなもので、一方が下がれば一方は上昇します。
円とポンドを比べた場合、ポンドが下落すれば円は上昇します。
ポンド下落によってイギリスの購買力が落ちて景気が悪化するのであれば、円の購買力は上昇するので、日本の景気は上昇するはずです。

しかし何故か今回の解説では、そうはなりません。
諍論家によると、イギリスは通貨安の影響で景気悪化しますが、日本は円の上昇によって輸出が伸び悩み、景気悪化するというシナリオになってしまいます。
同じ通貨の上昇でも、イギリスの場合は好影響だけが出て、日本の場合は悪影響だけが出る。
これは、物事の都合の良い面だけを取り上げて、無理やりシナリオをつくったことによって起こる矛盾です。

通貨安には、悪い面もあれば良い面も存在します。
イギリスのポンドが下がる事で、イギリスの輸入は伸び悩む可能性はあります。
しかし、通貨が安くなることで、今までは輸入していたものを自国で作るようになり、内需が刺激され、雇用などに良い影響をあたえることも十分考えられます。
また、ポンドが安くなることで、近隣諸国から旅行にも行きやすくなります。
確かに、ユーロからの離脱によってパスポートが必要になったりと旅行関連でデメリットは有りますが、現地の物価が下がるというメリットが上回ることは十分考えられます。

ユーロに入ってからのギリシャは周期的に聴きを起こしていますが、ユーロ加入前のギリシャでは、財政が破綻しそうになると通貨安になって現地物価がやすくなり、観光客が押し寄せることで景気回復をしていたなんて解説もあります。
日本でも、為替が円安になった途端に、海外からの観光客が増えましたよね。
双方とも、パスポートが必要なのにもかかわらず、観光客の増加によってプラス面が出ました。

本来であれば、為替の変動によって引き起こされるデメリットからメリットを差し引く必要があります。
しかしマスコミや評論家は、自分達にとって都合の良い面だけを取り上げて予測を作り上げます。


そして、もう一つ行われていることが、不都合な真実は無視するという事。
これは、マスコミや評論家に限らず、銀行の資産運用部や不動産屋、保険の外交員などがよく使う手ですが、聴かれない限りは不都合な真実は自分から言わず、無かったものとして取り扱います。

今回のケースでは、イギリスはEU脱退によって、非常に大きな経済的損失を被ると言われています。
逆にEU側は、出て行くというイギリスを止めること無く『出て行くならさっさと出て行け。追随するものが出ないように、イギリスには懲罰的に厳しい条件を突きつける!』って感じの報道がされていました。

では、実際に株価はどのような動きをしたのでしょう。
この報道が真実であれば、経済的に先行き不透明なイギリスの株価は、ヨーロッパの中でもダントツに売られているはずです。
逆に、UEに残り続ける国々は安定的な状態を維持できるわけですから、影響が有るといってもイギリスに比べればマシなはずです。
という事で調べてみました。
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このチャートは、上がイギリスで下がドイツの株価です。
一目でわかると思いますが、イギリスの株価はショック後から一貫して上昇し、ショック前の高値を超えて上昇しています。
その一方でドイツの株価は、ショックによる下落分を取り戻せていません。

これから分かる事は、少なくともヨーロッパで自分達の資金をリスクに晒している投資家は『イギリスは買いだが、ドイツは買えない』と判断したということです。
勿論、ショックから数日だけの動きなので、これから先の動きは分かりません。
この値動きも、投資家がイギリスの離脱を事前に予測していて、空売りを仕掛けていたものを、離脱決定後に一斉に買い戻した結果という可能性もあります。

ただ、現時点では、イギリスは買われてドイツは買われていないという事実は存在します。
しかし、これらの事実は余り触れられることは有りません。
ドイツの株価が下落したというのは、伝え方によっては不安を煽れるので、使われることもあるでしょう。
しかし、イギリスの株価が上昇していることは、ほぼ触れられません。

何故なら、『イギリスが馬鹿な選択をしたせいで、自分で自分の首を絞めた』というシナリオの邪魔になるからです。
今後、イギリスの株価が取り上げられることがあるとすれば、何らかの原因でショック後の安値を下回った時だけでしょう。

まとめると、恐怖の煽り方とは、まず恐怖を煽るシナリオを用意してから情報収集をし、そのシナリオを強化する様な情報のみを付け加えていく。
情報は組み合わせによっていろんな解釈が出来るが、自分達にとって都合の良い部分だけを強調して利用する。
利用できない、もしくは、自分達のシナリオを崩すような情報は、あったとしても無視をする。

こうして信用できそうな状態にまで質を高めていけば、後は連日のように皆で大合唱をするだけです。
人の精神は案外脆いもので、連日のように皆で一つのシナリオを連呼し続けると、そういうものだと思い込んでしまします。

これだけなら問題はないのですが、一番怖いのは、この創られた最悪のシナリオを信じて皆が不安な気持ちを行動で表してしまうと、本当に最悪のシナリオが実現してしまうという事です。
予言の自己成就というのでしょうかね。
最悪のシナリオに対して備えは必要だと思いますが、必要以上の煽りは、結局は害悪でしか無いんです。

前回と今回の投稿を通して私が伝えたい事は、みんな、自分で考えましょうということ。
私が観る限り、地上波で観れる経済ニュースの大半は、素人ブログ程度の考察だったりします。
本を数冊読む程度で、テレビのコメンテーター以上の意見を考えることは可能なので、変な意見には振り回されず、自分で考えるようにしましょう。
仮にその考えが間違ったとしても、それは次に活かせば良いだけで、テレビの意見を盲信しているよりかは、かなりマシだと思いますしね。

EU離脱問題から考える マスコミの報道姿勢

先々週にイギリスで行われた国民投票によって、イギリスがEUを脱退する意思を表明しました。
その直後から、日本のマスコミは『待ってました!』といわんばかりに、イギリス脱退による経済不安を煽りまくりましたね。

しかし実際には、蓋を開けてみれば脱退結果が出た翌日こそ大きく下がりましたが、その翌日以降は上昇し続けて6連騰。

テレビに出ている有名なコメンテーターは、揃いもそろって恐怖を煽りまくっていました。
中には、『リーマンショックを超える!』なんて大げさなことを行っていたのですが…
あれは、何だったのでしょうか。

という事で今回は、マスコミの報道姿勢について考えていきます。


この離脱問題については、投票翌日にも投稿を書きました。
kimniy8.hatenablog.com

内容を簡単に書くと、投票によって脱退の意思表明は行われたけれども、詳細はまだ何も決まっていないので、判断は出来ませんよということ。
テレビに出ている専門家様のいう通り不景気になる可能性も有りますが、特に変化がない可能性も充分にある状態というのでしょうかね。

そもそも、脱退そのものが2年先。
脱退後の経済や防衛についてはこれから議論して決めていく為、何もわからなくて当然なんです。

にも関わらず、マスコミやそこに出演している人の多くは、『どうなるか分からない』では無く、必要以上に恐怖を煽っています。
何故なのでしょうか。

これは単純に、その方がマスコミや出演者にとって都合が良いからなのでしょう。
人がニュースを欲する時というのは、世の中が悪くなって先行きが不透明な時です。
私は以前、経済系の話が中心のブログを書いていました。
有名なサイトではなく、個人サイトで細々と活動していた為、特にアクセス数が多かったわけでは有りませんが、そんなブログでも、たまにアクセス数が大幅に上昇する時がありました。
それは、株価・為替が大きく下落した時です。
細々と活動していた個人ブログですらそうなのですから、テレビのニュースとなれば、更に影響を受けるというのは当然でしょう。

テレビにとって視聴率は経営に直結するものですから、視聴率は高ければ高いほうが良い。
そうなると、視聴率を上げる為にも世の中の不安を出来るだけ煽った方が良い。
人々の恐怖を煽るだけ煽って、『先行きはどうなるんだ!?』と思わすことが出来れば、ニュースの視聴率が上昇してマスコミは万々歳。
これは、テレビに限ったことでは有りません。
新聞や週刊誌なども、同じ事です。

では、出演している経済の専門家はどうなのでしょうか。

実は彼らは彼らで、不安を煽った方が都合が良いんです。
理由を、2つ挙げてみましょう。

株や為替の専門家や評論家は、危機が起こらないと仕事になりません。
例えば、株が安定的に上昇し続けている状態というのは、経済的にも安定していますし、市場に関わる人の多くが儲けを出せるわけですから、非常に良い状態といえます。
しかしそんな状態が長期間続いた場合、評論家やコメンテーターは必要ありません。
何故なら、そんな人達にアドバイスを求めなくても、買って放置しているだけで儲けが出るからです。

しかし、金融危機が起こった場合はどうでしょう。
先行きが不透明な為、普段は経済について無関心な人達は、藁をも掴む思いで経済評論家に意見を求めます。
当然、テレビの露出も高くなりますし、顔も売れるでしょう。
有名になれば、講演会などで稼ぐことも出来ます。
こういう人達にとっては危機は来てもらわなければ困るものなので、僅かな火種でも危機になるように大切に育てようとします。
それが、必要以上の演出になっているのでしょう。

次の理由は、危機を煽っておいた方が安全だから。
例えば、『大したことは有りませんよ』と言っておいて、実際に大混乱が起こった場合は、物凄い数の苦情・非難を浴びることになります。
しかし、危機を煽っておいて実際には大したことがない場合、『予想していた程、酷くならなくて良かったですね。』と言っておけば、何とかなります。
当然、実際に酷いことが起こった場合は『私の言った通りになったでしょ?』と大きな顔が出来ます。
評論・コメンテーターという立場からすれば、とりあえず危機を煽るほうがリスクは少ないことになります。

また、こういった感じで評論家の大半が、同じ危機を煽るコメントになった場合は、更に別の保険がきくようになります。
というのも仮に予測が外れた場合、『あの時は、みんなが同じ予測をしていたでしょ?あの状況では、常識的に考えればあの予測になっていた。誰もが考え付かないようなことが起こったから、予測が外れた』といえば、結構な割合の人が納得します。

マスコミ業界と、それに協力しているコメンテーター・評論家は、共に危機を煽ることで利益をえることが出来ます。

では、どの様にして危機を演出するのでしょうか。

長くなってきたので、それはまたの機会にでも、

【映画紹介】 貞子vs伽椰子

今回は、2016年6月18日に公開された、『貞子vs伽椰子』の紹介です。
苦情がないように最初に書いておきますが、多少のネタバレは有りで書いていきます。
映画の情報を全く入れずに観に行きたい!という方は、今回の投稿は読まずに鑑賞後にお読みいただければと思っています。

『貞子vs伽椰子』
簡単に映画を紹介すると、貞子と伽椰子という、ジャパニーズホラーを代表する両名が対決する話です。
キャラクターを管理する会社がそれぞれ別なのに、その境界を乗り越えての恐演。
タイトルのインパクトも抜群ですし、人に話すためのネタとしても、観に行く価値が有るでしょう。




この映画ですが、リングシリーズの貞子と呪怨シリーズの伽椰子の恐演という事で、前作までの話を予習してみたほうが良いのかな?と思われている方も結構いらっしゃるかもしれません。
しかし実際に見に行った感想としては、過去作品を観ていないのであれば、予習の為にわざわざ観なくても良いと思います。

というのも今回の作品は、物語の都合上、若干設定を変えてあります。
その為、変に知識がある場合は揚げ足取りの方に注意がそれてしまう可能性もあります。

主人公のヒロインも、呪いのビデオや入ったら呪い殺される家があるという都市伝説を知っている程度の知識。
その為、リングや呪怨というシリーズは知っているけれども、内容までは知らない状態ぐらいで行くのが、主人公達に一番共感が出来て楽しめると思います。

と、前置きはこの辺りにして、そろそろ本題に入っていきましょう。
今回の映画のジャンルはホラーですが、実際に怖い映画なのか。

この部分に関しては、正直、人それぞれ。
恐怖の概念によって違うとしか、言いようが有りません。
私個人としては、恐いとは感じませんでした。

というのも、私にとって怖いと思う物語は、ほんの僅かに選択肢を間違うことで、誰でも道を踏み外してしまうような物語に恐怖します。
特に特別な環境でもなく、誰もが普通と思い込んでいる日常生活内に潜む闇とでもいうのでしょうか。
人間関のちょっとした摩擦であったり、思い違いなどから、自体がどんどん悪い方向へ転がってしまうとかね。

しかし今回の『貞子vs伽椰子』には、そういったストーリー的な怖さというものが一切ありません。
ではどういう怖さなのかというと、お化け屋敷の様な怖さ。
幽霊が出てくると分かっている状況で、注意深く探索。
ゆっくりと歩く為に視覚は然程、変化せず、音も足跡のみ。
入ってくる情報が極端に少なくなり、自然と細かい部分にまで意識が集中した時に、不意に思ってもいないところからバケモノが出てくる。
そんな感じの怖さです。

その為、幽霊が登場する映画なのにもかかわらず、観た後は不思議とカラッとした気持ちになる感じでしょうか。
勿論個人差が有るので、お化け屋敷的な怖さが大の苦手という人にとっては、非常に恐い作品に仕上がっているとは思います。

とはいっても、そんなホラー中心の流れは、中盤まで。
後半部分のバトルに関しては、少年漫画に通じる部分がある、熱い展開になったりします。
ちなみに、バトルする両名のスペックは、こんな感じ。
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精神力が強い貞子を、フィジカルが強い伽椰子が迎え撃つ感じでしょうか。
こんなグラフを見せられるだけで、『近距離戦闘に持ち込むと伽椰子が有利そうだから、貞子は距離をとって戦う?』なんて妄想が捗りますよね。
実際の結末については、劇場で確認して欲しいんですけどもね。

個人的には、笑いどころが結構多い作品だったように思えます。

時間もそれほど長くなく、過去作品の情報も必要ない。
お化け屋敷的な怖さが味わえるうえに、少し笑える。そんな作品だと思います。
気になった方は是非、劇場に観に行ってください。


…と、一般的な紹介文はここまでで、ここからは、少しマニアックな見方をする為の方法を書いていきます。
個人的には、2回目を観る際に読まれると良いと思います。
ここからはネタバレ要素が強くなるので、情報を入れたくない方は、此処から先は読まない様におねがいします。

先程は、今回の『貞子vs伽椰子』は、それぞれの過去作品である『リング』や『呪怨』を観ていなくても楽しめると書きました。
それは、その通りなのですが…
この作品、過去の白石晃士作品を観ていると、更に楽しめる作品になっているんですね。

では、具体的に何を見ればよいのか。
理想をいえば、雰囲気を理解するためにも、観れる作品は全て観るほうが良いと思います。
しかし、そんなに時間がないという方は、今回勧める3つの作品を観ることをお勧めします。

先ずは、『カルト』




この作品は、構造が『貞子vs伽椰子』と非常に似通っています。
『貞子vs伽椰子』では、最初に登場する霊能力者は不動明王真言を唱えるも除霊できず、逆に貞子に呪い殺されてしまいます。
それから少し後に、オラついた感じのホスト風の霊能力者が登場し、ヒロインたちに力を貸すという流れなのですが、ここら辺りの流れがほぼ一緒。
デジャブ感を味わえますし、元ネタを知っていると、不動明王真言が流れた時点で爆笑してしまいます。

次に観てほしい作品は、コワすぎ!シリーズの2作品。
口裂け女捕獲作戦』と、『震える幽霊』です。






これらの作品を観ることで、貞子を少しだけ呼び出した後で、髪の毛をズタ袋に入れるというシーンの元ネタが分かるようになり、今回の迷セリフである、『バケモンにはバケモンをぶつけるんだよ! 』というセリフが、より楽しめるようになっています。

この作品は、大画面で観た方が怖さをより感じられる作品だと思いますので、興味を持たれた方は是非、劇場で楽しんでください。

おすすめです。

【イベント潜入】 『貞子vs伽椰子』 公開記念トークイベント (なんば紅鶴)

先週末(2016年6月25日)の事ですが、大阪千日前にある、なんば紅鶴にて開催された、『貞子vs伽椰子』の公開記念トークイベントの観覧に行ってきました。
という事で今回は、このことについて書いていきます。


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皆さんは既に御存知だとは思いますが、このイベントの開催日から遡ること1週間前に、映画『貞子vs伽椰子』が放映されました。



そして、その翌週にはもうトークイベントの開催!
という事で、早速、予約を入れて様子を見に行ってみましたよ。

会場に入ると、入口付近ではフードが販売されていました。
その内容も、霊体ミミズが入ってこない様に加工された食品や、多数の肉の後に注文する『後、サムゲタン』といったものが。
イベントでは、入場料の他に1ドリンクを頼む必要があるのですが、そこでも、未来に確実に流行ると言われているルイボスティー
残念ながら、バイオ鳥サワーは開店前から売り切れでしたが、白石監督作品を見続けてきた人は思わずニヤリとしてしまうメニューが揃えられていました。

私は開場15分後ぐらいに紅鶴についたのですが、観客は既にいっぱい。
しかし運良く、最前列のスピーカー前が開いていたので、そこに陣取ってイベントの開始を待ちました。


イベントは10分遅れぐらいでスタートし、出演者の方が登場。
アメコミ情報番組アメキャスや、紅鶴の責任者?として有名な林人生さんが登場し、その次に、ネットラジオ『ネットラジオ BS@もてもてラジ袋』の『ぶたお』さんと白石監督が、ハンバーガーをワイルドに食しながら登場。
ハンバーガーといえば、白石監督作品『カルト』で、岩佐真悠子さんがハンバーガーを食べてしまった事で霊に取り憑かれたというエピソードが有名ですよね。
しかし今回の『貞子vs伽椰子』では、無頼漢風の霊能力者・経蔵がハンバーガーをワイルドにかじりながら登場します。

そのシーンを完全に再現しての登場に、最初っからクライマックスな状態でのイベント開始となりました。

最初は、軽いトークから。
公開記念イベントということで、やはり『貞子vs伽椰子』の話題から。
私は先週に観たばかりなので、興味津々で聞いていたのですが、ここで一つ問題が。

『貞子vs伽椰子』の公開記念イベントなのにも関わらず、映画を観てない人が2人いちゃったんですよね。
という事で、イベントは核心部分のネタバレは無しの方向に。
まぁ、公開して一週間しか経っていませんし、仕方がないといえばそうなのですが、観た側からすると、少し残念な感じ。
といっても、それを差し引いても面白かったんで良かったのですけれどもね。

短めのトークが終わり、次は白石監督の映像を見ることに。
今回の映像は、『戦慄怪奇ファイル コワすぎ』のスピンオフ作品。
コワすぎ公開イベントの際に少しずつ流されていたものが、一挙公開されました。

私は、京都の立誠シネマで『コワすぎ』が公開された時に放映された2作品しか観たことがなかったので、全て見られて得した気分でした。

その後は休憩をはさみ、再びトークショーへ。
今回は、事前に観客に配られていたアンケートを元に、インタビュー形式でのトークです。
インタビュアーと監督が壇上だけでやり取りしているのを観るのも良いですが、この形式だと観客を交えた雰囲気になるのが面白いですね。

この幕からは、映画関連で地上波ラジオの番組にも登場している、『縛りやトーマス』さんも参加。
参加者全員が、宇宙的な光るサングラスをかけての登場です。
この部分の写真は撮りそこねたので、興味の有る方はGoogleなり、ツイッター検索で『紅鶴 白石』と入れるなりして調べてください。

この部分のイベントは結構な時間を割かれていたように思うのですが、いざ終わってみると、物凄い短時間に思えたのが不思議です。
それだけ、楽しかったということなんでしょうね。

というのも、『貞子vs伽椰子』という作品は、リングを観ていなくても呪怨を観ていなくても、この作品単体で完結している作品なので問題は有りません。
しかし、映画の所々に、白石監督の過去作品のネタが頻繁に散りばめられているんですよね。
過去の白石監督作品を観ている方にとっては、その部分では思わず吹き出してしまう程に面白いシーン。
ですが、白石監督の作品群を知らない人にとっては、その意味はわからないし普通のシーンとして飛ばしてしまう作りになっています。

白石ファンの人からしてみれば、『あの部分のネタ分かった?』って感じで映画後に談笑したいわけですけれども…
一番の問題は、その知識を有している人が周りにいない。
結果的に一人で消化していく必要があるのですが、今回のイベントに集まった人達は違います。
大々的にに告知もされていないのに、味園ビルに集まった強者どもです。
自分の知らないようなネタに気がついたり、違った角度から観たりしてくれているんです。

そんな感想をアンケートに書き、それを元に壇上の方々は面白おかしくインタビューをしてくれているので、面白くならないはずが有りません。
そして、イベント開始から4時間が経過。
会場内で笑いが絶えず起こり続ける中、『貞子vs伽椰子』公開記念トークイベントは終了しました。

終了後も、サイン会や壇上の方々との交流の時間が設けられていましたが、電車で帰らなければならない私は、イベント終了と共に帰宅。
楽しい時間を楽しませて頂きました。

私の文章力では、会場内の面白さの5%も伝えられてはいないと思いますが、言い訳をさせて貰えれば、あの雰囲気は会場に行かなければわからないと思います。
特に、紅鶴でのイベントはMAXで入場しても4~50人程度の規模なので、演者との距離感が近いですし、参加している感が他のイベントに比べての高いのではないかなと。
また別の機会で白石イベントが開催されるようですし、もし興味を持たれた方は、参加してみても良いのではないでしょうか。

イギリスのEU離脱は、本当に大混乱を招くのだろうか

ニュース速報によると、今日の昼頃にイギリスのEU離脱が報じられましたね。
私は毎日の様に経済関係のニュースを見聞きしておりますが、多くの経済専門家の予測は、残留でした。
その予測は見事なまでに、華麗に外した事になりますね。

そういえば政治評論家や専門家は、『アメリカ大統領のトランプ氏は泡沫候補ですぐに消える』なんて豪語していましたが、実際には有力候補の一人として残り続けていますね。
更に遡ると、大手経営者の株価予想を日経新聞が掲載しておりましたが、予測は最安値が17,000円で高値が24,000円。
この予測も、僅か1ヶ月と持たずに1月末には全員がハズしていますね。

この現状を見ると、専門家とは一体何なのかと疑問を持ってしまいます。

で、その専門家が英国のEU離脱について何と言っているかというと…
経済的混乱が起こり、大変な時代になると大騒ぎしているわけです。

しかし本当のところは、どうなんでしょうかね。

オオカミ少年では有りませんが、ここまで尽く嘘と言っても過言ではないような予測をし続けてきた専門家。
この人達が騒いでいるという事は、逆に大した影響は無いとも言えるのかもしれませんね。
という事で今回は、イギリスのEU離脱について考えていきます。


専門家の方々やEUの現首相は、EU離脱をしたらトンデモない事になり、世界は混乱すると主張してきました。
では何が原因で混乱や損失が生じてしまうのか。
簡単に書くと、英国・EU間の貿易コストが上昇してしまう。
英国から、グローバル企業の本社がが逃げていく。
よく聞く原因はこの2つなんですが、両方共、ヨーロッパ間の貿易の事なんですよね。

この貿易によって起こる問題を取り上げて、『イギリスの損失が増大する!』『製造工場・本社機能の移転コストが!』なんて騒いでいるんですが…
そんなに大した問題なんでしょうかね。
この話は、イギリスが損失を出す可能性があるという話であって、全世界が莫大な損失を出すという話では無い。

その貿易関係についても、EU離脱後に新たに貿易協定をEUと結べば良いだけです。
今までの貿易関係で、英国だけが一方的に非常に有利な条件で貿易協定を結んでいたのであれば、それが解消されることで英国に損失が発生するかもしれません。

しかし、離脱問題が起こる前のEUでは、『EUが誕生してから、イギリスだけが貿易で儲けを出している!』なんて話は、少なくとも私は聴いたことが有りません。
ではどんな事をいわれていたかというと、『ドイツの一人勝ち!』。

ヨーロッパといえば、今も昔も、生産拠点となっているドイツの輸出が目立っていました。
この状態、EUが存在する前ではどうなっていたかというと、マルク高によってドイツの貿易が不利になっていたんです。

ドイツから物を輸出する場合は、ドイツが物を販売し、その代金はマルクで受け取りますよね。
そのマルクを調達するために、他国は自国通貨を売ってマルクを購入しなければならない。
結果としてマルク高になり、ドイツ製品は割高になることで、国際競争力が削がれていたんです。

しかしユーロが導入されると、どうでしょう。
通貨が同じになる為、為替による製品の変動が無くなるわけです。
その結果として、ヨーロッパじゅうのお金がドイツに集中することになったのです。
また、ギリシャやスペイン、イタリアなどの国が通過ユーロの足を引っ張ってくれることで、ドイツ単独の頃よりも通過的には安い状態を維持できる。
ドイツにとっては、結構良い環境といわれていました。

そしてEUは、単にユーロを導入するだけでは有りません、人の行き来も自由にする枠組みです。

貿易でドイツが一人勝ちになって、企業が儲けを出すという事は、より優位な条件で求人募集が出せるということです。
これにより、ヨーロッパ中のエリートはドイツに吸収されることになります。
日本で例えると、地方の有名大学を出た人間が、就職で上京するようなものです。

こうなると、ドイツの競争力は更に増強されます。
正に、ドイツ1強の状態です。

つまり、現状ではEUに加盟していることで、イギリスが非常に優位な状態で貿易が出来ているというわけではありません。
どちらかと言うと、得をする部分もあるがデメリットも有るという、EUとは持ちつ持たれつの様な関係だったわけです。
イギリス国民も、メリットとデメリットを天秤にかけた上で、デメリットの方が大きいと判断した人が多かったから、離脱になったのでしょう。

また、EUから脱退したとしても、条件的に似たような貿易協定を結ぶことは、交渉次第で不可能では有りません。
現に、EUに加入していないけど、貿易面では同じ条件で取引している国もありますしね。
交渉によっては、EUに残留するよりも有利な条件で結び直すことも可能かもしれません。

また、『貿易!貿易!』と行っていますが、イギリスが大量の工場を抱えていた時期って、産業革命期ですよね。
それからは製造工場はどんどん海外に移っていき、イギリスは金融国家になっています。イギリスの産業で製造業が占める割合は、10%程度まで縮小しているようです。
EUから抜けたら『金融国家としても成り立たない!』なんて声も聴きますが、同じ金融国家であるスイスは、そもそもEUに入っていません。

マスコミはや専門家たちは、不安を煽ってナンボ!ってところが有るので、結構大げさな騒ぎ方をしていますが、今回の出来事は、莫大な損失が発生したリーマンショックのような経済危機では有りません。
今ある枠組みから、国が1個抜けるだけです。
ヨーロッパ地域にある国々は、EUに加入していなければ存続すら出来ない状況というわけでもなく、加入していない国も沢山有ります。
抜けたからといって、どちらかが破綻するわけでもないんですよね。

よくよく考えてみると、今回の出来事は、これからイギリスがどのような行動を取るかが重要なのであって、離脱そのものに、そこまでの意味は無いと思います。
今後、重要になってくるのは観察することなのですが、世間ではこの騒ぎっぷり。

普段からマスゴミマスゴミ!と、テレビの報道を全く信用していない人達が、何故かマスコミの意見を盲信して、一緒になって危機を煽っている。
そりゃ、金融市場などでは予想していなかったことが発生したわけですから、一時的なポジション調整などの動きによって、乱高下も起こるでしょう。
その一時的な現象だけを取り上げて、マスコミと一緒になって危機を煽る現状には、なにか違和感を感じてしまうんですよね。

もう一度、冷静になって考えてみてください。
今、テレビに出て危機を煽っている人達は、1月に出した今年の株価予想を僅か20日程でハズし、トランプの躍進を見抜けず、イギリスの離脱を予想できなかった人達なんです。
景気なんてものは、悪くなると思ってお金を使わなければ、本当に不景気になってしまうものなんです。
そして更に冷静になって思い出してください。
世界は、全世界を巻き込んで大幅な損失を出した、リーマンショックですら壊れなかったんです。

イギリスがEUの枠組みから抜けるだけで、世界は本当に大混乱になるのでしょうか。

映画館で常時1000円ちょっとで鑑賞する方法

私は以前から、『映画料金は高い』と思い続けていました。
2時間で1800円というのは、他の遊びと比較すると安いのかもしれません。
しかし、少し時間置くだけでDVD・BDになり、レンタルで貸し出されることを考えると、相対的に高いなと思ってしまうのです。
時には、その環状をブログにぶつけるんなんてこともあったのですが、実はちょっとした事で、映画料金を半額に出来ることに気が付きました。

映画を頻繁に観ている方にとっては常識だとは思いますが、そこまで頻繁に映画を観に行かない人間にとっては、案外知らないことだとも思いますので、今回ブログで紹介することにしました。

私は今まで、映画を安く観る為の方法を3つぐらいしか知りませんでした。
一つは、前売り券を買う。
もう一つは、レイトショーに行く。
最後は、映画の日などのサービスデーに行くことです。

行くことを既に確定していて、『前売特典が欲しい!』なんて人は、前売り券を購入すればよいのですが、前売り券は映画が公開される前しか販売していない為、公開してから話題になって観に行きたくなる場合は、使えません。
サービスデーなどは、日にちが固定されていますし、曜日で決められているわけではなく日にちで決定している場合が多いので、多くの場合は平日になってしまいます。
となると、一番現実的なのはレイトショーで見に行くことなのですが、これも開始時間が遅めだと、見終わると12時前になる事も有り、その後の予定が入れにくいという欠点もあります。

どちらにしても、結構使いづらいなと思う部分も結構あるサービスなんですよね。

しかし、そんな問題を解決し、今回紹介したどのサービスよりも割安に映画を観ることが出来るサービスがあったんですよね。
その方法とは、映画館の会員サービスに加入すること。

『そんなの常識だよ!』と思われている方も多いかもしれませんね。
映画館の予告前のCM等でも頻繁に宣伝していますから。
そんな方は、今回の記事は読み飛ばして頂いても結構です。


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しかし私の様に、CMを目にしつつも詳細を知らなかった方は、知っておくと結構便利なサービスだったりします。

私がよく行く映画館は、movixです。
その為、今回はmovixを含むブループが作っている会員サービスの『SMT Members』について紹介します。
www.smt-cinema.com

この会員サービスは、入会時に100円だけ料金が発生しますが、月会費や年会費は有りません。
つまり、会員になるためのコストは、たった100円で済むということです。

ちなみに100円という費用は、利用方法によっては一瞬で取り返すことが出来ます。

会員になると、その日から会員特典を受けることが出来ます。
その特典が、結構凄いんです。
フル活用すると、映画が実質半額で観ることが可能です。

ではその、詳細を書いていきましょう。
まず、映画を1回見ると、ポイントが10pt貰うことが出来ます。
このポイントを60pt貯めることで、映画の無料鑑賞チケットを貰うことが出来ます。
映画の通常料金が1800円なので、6回見ると次が無料という事は、1回あたりの割引金額は300円程度となりますね。

『たった300円?』と思われる方も少なく無いと思いますが、実はこの特典だけではないんです。
次の特典としては、映画を1回見に行く毎に、翌日に『次回割引クーポン』が貰えます。
このクーポンは有効期限が発行から2ヶ月なのですが、利用することで、1300円で映画を見に行くことが可能です。

ネット上で座席指定をしてチケットを購入する場合は、更に割引されて1200円で観ることが可能です。
ネット購入の場合の割引金額は、600円程度ですね。

ちなみに、この『次回割引クーポン』、これを利用して1200円で映画を観た場合でも、翌日にはまたクーポンが発行されます。
つまり、2ヶ月以内に次の映画を見続ければ、毎回1200円で観られるということです。

これらの割引を全て足すと、300円+600円で、900円引きで半額?なんて思われる方もいらっしゃいますが、実際には7回分の上映を1200円で6回分の料金で見れるということで、7200÷7で、一回あたりの鑑賞料は1028円となります。

その他にも、誕生日には1000円で鑑賞できるクーポンが貰えます。
これも、使用期限は60日限定。

通常料金で年に8回、映画館に行く場合は、14,400円のお金がかかります。
しかし、この会員システムのクーポンを利用して映画を見る場合は、8200円で鑑賞が可能な為、6200円ぐらいお得という事になります。
8回全てをレイトショーで観る場合は、差額は2200円とお得感は薄れますが、レイトショーは時間が20時以降と限定されているのに対し、この会員システムは時間を選ばずに好きな時間で行くことが出来るという点でも優れていますよね。

鑑賞料が1800円と聞くと、『高いなぁ。。』と思って足が遠のいていた方も、一回あたり1000円チョットで鑑賞可能となれば、見に行くハードルも少しは下がるのではないでしょうか。
映画の中には、映画館で観て初めて良さが分かるものも結構多いようなので、興味を持たれた方は、会員になってみるのも良いのではないでしょうか。

【本の紹介】 魔女の世界史

今回紹介する本は、『魔女の世界史』です。



この本を知った切っ掛けですが、私の趣味の一つがPodcastを聴く事で、多くの番組を聴いています。
そんな中の一つに、『東京ポッドキャスト』という東京リチュアルというところが配信しているオカルト番組が有るのですが、その方々が公式サイト内で紹介されていたので、興味を持って購入してみました。

『魔女』と聞くと、オカルトに全く興味のない人は、白雪姫に登場するような不思議な魔法を使う老婆を思い浮かべるひとが多いのではないでしょうか。
魔女の宅急便』を思い出す人も居らっしゃるかもしれませんね。
いずれにしても、ホウキにまたがって宙を舞う、人間にはない力を持った女性ですよね。

そんな『魔女』の世界史なので、このタイトルを聞いてファンタジー的なイメージを抱かれる方も少なく無いと思います。
しかし実際には、先程書いた様な魔女のイメージは、この本で紹介されているものの一部にしか過ぎなかったりします。

この本では、【魔女の定義・起こり】【魔女の活動】【現代における魔女カルチャー】の大きく3つの章に分けて、魔女の起こりから現代へと継続していく流れを、大雑把に紹介されています。

始まりは、まず、魔女とは、何なのかということから。
私が読んで解釈した範囲で書くと、それは、カウンターカルチャーサブカルチャーを代表するもの。
常識を、逸脱するものでしょうか。

では何故、女なのか。
それは、古くから女性が蔑視され、差別され続けてきたからのようです。

例えばキリスト教の聖書で、イヴは蛇にそそのかされて知恵のみを食べ、それをアダムにも食べるよう薦めて、結果としては楽園から追放されることとなります。
蛇はサタンの化身ともいわれているので、悪魔に唆されて堕落した女性が、男性を引きずり込むとも解釈できるわけです。
別にキリスト教等の宗教に限らず、人の文明は男性によって支配され、男性がつくってきました。

女性は時には男性の所有物のように扱われる事も、しばしば。
そんな男性社会に立ち向かうため、そして変革させる為に取る行動が、一つの文化を作っていった。

男性が作った男性社会に対して反抗するのは、やはり女性で無くてはならない。
という事で、女性がシンボルになり、現体制に対して積極的に反抗する女性が『魔女』と呼ばれるようになったということでしょう。

現体制やメインカルチャーに対して抵抗し、カウンターカルチャーを実行するものを『魔女』と呼ぶようです。

例えば有名な例でいうと、キリスト教全盛期に、教えに反して科学を追求して聖書に書いていないことを主張するのは、キリスト教を基礎にした社会に対する反抗とされたので、魔女ということで裁かれます。
しかし実際に魔女が行っていたことは、様々なものを混ぜて加熱して、今までにないものを創りだそうとする錬金術や、森に生えているハーブなどを調合して薬を作るなどの行為。
今の社会でいえば、科学者や医者が行っている事をしていただけなんですよね。

価値観が変わった今となっては普通のコトですが、当時は前提となる常識が全く違う為、神の意志に逆らったことを実行したり主張する人達は、忌み嫌われていたのでしょう。

『今の常識を打ち破り、新たな価値観を見出す』という行為。
これって、今現在でも行われていることですよね。

この本では、それらの行為を行っている人、全般を『魔女』として取り扱い、その歴史を振り返るという趣旨で書かれている本です。

読んでみた感想ですが、全体的に知らないことが多く書かれていたので、新たな知識が身につけられるという点で、楽しく読むことが出来ました。
全く知識がない分野の本は、知らない単語や用語が大量に出てきて読むのに苦労するという印象なのですが、この本は、そもそも知識がない人に向けて解りやすく説明しようという思いで書かれているためか、非常に読みやすくて助かりましたね。

読んでみて意外に思ったことは、魔女の定義がかなり広いことでしょうか。
魔法少女もののアニメは勿論ですが、『かわいい』といった新たな概念を浸透させた『きゃりーぱみゅぱみゅ』のようなアーティストまで含まれていたとこには驚きでした。

他に興味を持った部分は、魔女という概念が拡散・浸透していく過程ですね。
昔は、絵画などに描かれた女性を観ることとで、今までにない価値観を植え付けられた女性達が、『自分たちも』と意識が徐々に変化し、行動に移していくというローカルなものでしたが、技術が進歩するにつれて、影響を与えるメディアも変化していきます。
印刷が発明されれば、大量に印刷されて安価に手に入れられる本が影響を与え、テレビが誕生すれば、主体はそちらに移ります。
そして今現在はネットによって、今までは一部の限られた人間しか接することが出来なかったような、アングラな情報にも手軽に接することが出来るようになり、意識の変化が爆発的に進んでいっているという点ですね。

この爆発的な情報の拡散により、今現在は何がメインカルチャーで何がサブなのか、カウンターなのかすら解らない曖昧なものになってきています。
捉えようによっては魔女に一番接しやすい様にも思えますが、メインカルチャーが曖昧で存在が分からない状態であれば、そのカウンターも曖昧なものとも考えられます。

この様な視点で世の中を見てると、想像以上に世界は混沌としていて、結構面白いなとも思えたり。

メインカルチャーに対するサブカルチャーカウンターカルチャーについて、過去に一度でも深く考えたことがある人にとっては、既に知っていることが多数書かれている為、読む必要のない本かもしれません。
しかし、特に何も考えずに漠然と生きてきた人は、全く違った視点を与えてくれるという点で、結構、面白いのではないかなと思います。

【ゲーム紹介】 アンチャーテッド  海賊王と最後の秘宝

今回紹介するゲームは、アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝



スピンオフを除く、アンチャーテッドシリーズの4作目。
そして、シリーズの完結編でもあります。

アンチャーテッドシリーズを全くご存知のない方の為に簡単に説明すると、体験する映画の様なゲームです。
インディー・ジョーンズなどのアクション映画では、ハラハラ・ドキドキするような事が次々に起こり、敵が主人公に襲いかかりますよね。
主人公は襲いかかる追手と戦い、時には逃げながら、様々なハプニングを乗り越えて目的地を目指していく…
そんな主人公を自分が操作できるのが、このゲーム『アンチャーテッド』です。

タイトル名は、このシリーズの第一作目で、主人公のネイトが冒険費用欲しさにテレビのアドベンチャー番組『アンチャーテッド』に話を持ち込んだところからきているようです。
過去にエルドラドやアトランティスを発見してきたネイトですが、今回挑戦するのは、海賊の財宝。
これまでと同じように、敵対する傭兵軍団が有り、それらと争いながら謎を解いていく感じになっています。

基本的に一本道でストーリーが進んでいくスタイルで、やるべきことがハッキリしていて迷わなくて良いのがこのシリーズの良い所。
ゲームのプレイ時間も短めで、なかなかゲームをする時間を作れない社会人にとっては、有難いシリーズですね。
とはいっても、ゲーム時間に比べてお値段は据え置きって感じなので、その点については厳しいんですけどね。

気になる今回の物語ですが、ストーリーは死んだと思い込んでいたネイサンの兄さんが生きていて、助けを求めてくるところから始まります。
過去作には兄の存在が一切語られていなかったと思うので、ちょっとビックリな展開ですね。

やってみた感想ですが、一番衝撃を受けたのが、グラフィックの美しさ。
物凄く良く出来た映画のセットの中を動き回れるって感じといえばよいでしょうか…
特に、自然の描写が凄すぎですね。

今回は孤島をメインで探索するのですが、そこら中に50センチ程度まで成長した草木が生えているんですよね。
その中をかき分けて進んでいくと、ちゃんと草木が対応して揺れるところが、かなりリアルで凄い感じ。

またこの『少し背の高い草』等は、敵から隠れる為にも使えたりします。
敵の巡回ルートを隠れつつ確認し、一人になった所で草むらに連れ込んで暗殺なんてことも。
この様なアクションのお陰で、今までのアンチャーテッドシリーズとは戦闘が少し変化したようにも思えますね。

今までのアンチャシリーズの戦闘といえば、無限と思えるほどに湧いてくる敵を銃で打ちまくる戦闘スタイルだったように思えますが、今回の作品に関しては、ステルスキルや敵を倒さずにやり過ごすなんて事が出来やすい用に感じました。
前作までは軍隊相手に一人で撃ち合って勝つって感じでしたが、それに比べると、より現実路線の選択肢が選べるともいえますね。

とりあえず敵を全滅させてから進むというスタイルだけでなく、出来るだけ殺さずに、且つ、見つからないように先に進んでみるというのも、面白そうですね。

その他は細かい部分にはなりますが、砂や泥、水の描写も凄い。
例えば、水の浅瀬を走ったりすると、足の前の水を蹴り上げるような感じになりますが、それも結構リアルな感じで表現されています。

また砂や泥の上を歩くと、ちゃんと足跡が付きますし、泥の上を車で走ると、タイヤの跡がくっきりと残ります。
銃撃戦などでも、ブロックのような壊れやすい物に当たると、その部分だけ崩れ落ちるといったことも表現されています。
細かい部分まで丁寧に作られているため、このグラフィックを観ているだけでも満足してしまいそうなほどですね。

PS4のゲームでは、現状で最高レベルのグラフィックだと思いますので、技術の進化を観るという点でも、一度体験されてみては如何でしょうか。
おすすめです。